東邦銀行カードローンの返済が苦しくなったとき、やってはいけないのが「とりあえず今月だけ何とかする」を何か月も繰り返すことです。
今月は給料で返す。
来月は生活費が足りないので再び借りる。
その翌月は別のカードローンから借りて返す。
これを続けると、返済日は守れていても借金総額が減らないことがあります。
そこで今回は、これまでの記事とは違い、**「100万円の借金を抱えている架空の利用者が、1年後にどうなるか」**というシミュレーションを軸に解説します。
東邦銀行の「TOHOスマートネクスト」は、借入極度額10万円~800万円、金利は年1.4%~14.6%。約定返済は毎月10日(休日の場合は翌営業日)で、返済日前日の借入残高に応じた金額が返済用普通預金口座から自動引き落としされます。
では、このカードローンの返済が苦しくなったとき、どのような選択をすると借金が減り、反対にどのような選択をすると問題が深刻化するのでしょうか。
100万円の借金を抱えたAさんで考えてみる
ここからは分かりやすくするため、架空のAさんを例にします。
Aさんの状況は次のとおりです。
東邦銀行カードローン残高:100万円
その他の借金:なし
手取り月収:25万円
毎月の生活費:22万円
毎月返済に回せるお金:3万円
現時点では延滞していません。
ただし、最近は物価上昇や臨時出費もあり、毎月の家計に余裕がありません。
このAさんが取る行動によって、その後の状況は大きく変わります。
ルートA|最低限の返済を続けながら新しく借りる
最初はよくあるパターンです。
返済日が来たので返済する。
しかし、返済すると生活費が足りなくなります。
そこで、
返済
↓
生活費不足
↓
再借入れ
↓
翌月また返済
を繰り返します。
この状態で怖いのは、本人には「毎月返済している」という感覚があることです。
返済しているのに借金が減らない
たとえば3万円返したあと、生活費として2万円借り直したとします。
3万円返済
↓
2万円再借入れ
なら、単純計算でも差額は1万円です。
さらにカードローンでは利息が発生します。
そのため、
「毎月3万円払っているのだから、1年で36万円減る」
とは限りません。
カードローンの返済を考えるときは、返済額ではなく元金残高がどのくらい減っているかを見る必要があります。
ルートB|返済資金を別のカードローンから借りる
Aさんの生活費がさらに増え、東邦銀行への返済資金そのものが足りなくなったとします。
そこで消費者金融B社から借ります。
東邦銀行 100万円
↓
B社から3万円借入れ
↓
東邦銀行へ3万円返済
東邦銀行の残高は減ります。
しかしB社の借金が増えます。
借金の「移動」と「減少」は違う
この違いは非常に重要です。
たとえば、
東邦銀行 97万円
B社 3万円
なら、単純合計は100万円です。
東邦銀行だけを見ると3万円減っています。
しかし借金全体ではほとんど変わっていません。
この状態を繰り返せば、
東邦銀行
消費者金融
別の銀行カードローン
クレジットカードのキャッシング
など、借入先が増える可能性があります。
法テラスも、借金返済のためにさらに借金を重ねる状態を「多重債務」と説明しており、このように返済に無理がある場合には早急な債務整理が必要になると案内しています。
ルートC|借りずに返済できる家計へ変える
次は、Aさんが新しい借入れをやめ、支出を見直したケースです。
これまで生活費22万円だったところを、
不要な保険
使っていないサブスク
通信費
外食
娯楽費
などを見直し、20万円まで下げられたとします。
手取り25万円なら、
25万円-20万円=5万円
となります。
毎月5万円を借金返済に回せる余地が生まれます。
この場合、新たな借入れをせず返済を継続できれば、借金残高は減少する方向へ向かいます。
ただし、生活に必要な支出まで無理に削るのは適切ではありません。
「借金を減らす」の意味を間違えない
借金を減らす方法というと、
「毎月たくさん返済する」
ことだけを考えがちです。
しかし、実際には違います。
借金を減らすには、
返済額 > 新規借入額
の状態を継続する必要があります。
極端な例ですが、
5万円返済して5万円借りる
のであれば、元金はほとんど減りません。
一方、
3万円返済して追加借入れ0円
なら、利息分を考慮する必要はあるものの、元金は減る方向へ進みます。
つまり最初に目指したいのは、
「たくさん返すこと」ではなく「借り直さずに生活できる状態を作ること」
です。
東邦銀行「TOHOスマートネクスト」の返済日は毎月10日
現在のTOHOスマートネクストでは、2回目以降の約定返済日は毎月10日です。休日の場合は翌営業日となります。
返済日前日の借入残高に応じた約定返済額が、指定した返済用普通預金口座から自動的に引き落とされます。
たとえば借入残高が、
2,000円以上10万円以下なら2,000円、
10万円超20万円以下なら4,000円、
20万円超30万円以下なら6,000円、
30万円超40万円以下なら8,000円、
40万円超50万円以下なら10,000円
と段階的に返済額が設定されています。
契約内容によって確認すべき事項もあるため、返済が難しい場合には自分の契約書類や最新の銀行案内を確認しましょう。
ルートD|余裕がある月に追加返済する
Aさんのボーナス月に10万円の余裕資金ができたとします。
生活費や緊急時の資金を確保したうえで、その一部を追加返済へ回す方法があります。
TOHOスマートネクストでは、約定返済とは別に、ATMや窓口などから任意返済することができます。
また、カードローン専用口座へ直接入金することで一括返済も可能です。ただし、利息分が次回の約定返済日に返済用口座から引き落とされる場合があるため注意が必要です。
10万円余ったから10万円全部返すべき?
必ずしもそうとは限りません。
たとえば手元資金10万円をすべて追加返済してしまい、
翌月に自動車修理で5万円必要
↓
現金がない
↓
カードローンから5万円借入れ
となれば、再び借金が増えます。
追加返済をするなら、
「返済したあとも借りずに生活できるか」
を基準に金額を決めることが重要です。
ここでAさんに2社目の借金ができたとする
問題をもう一段階進めてみましょう。
東邦銀行 100万円
消費者金融B社 50万円
合計150万円。
毎月の返済総額は5万円になりました。
Aさんの手取りは25万円。
生活費は22万円です。
返済前の余力は、
25万円-22万円=3万円
しかありません。
しかし借金返済には5万円必要です。
毎月2万円足りません。
この2万円を借金で補えば、翌月も不足します。
ここから必要なのは「節約額」の計算ではない
月2万円の赤字なら、支出を2万円以上削減できれば自力返済を続けられる可能性があります。
しかし、
毎月5万円赤字
毎月8万円赤字
複数社から借入れ
借入限度額に近い
となれば、小さな節約だけでは解決が難しくなります。
そこで考えるのが債務整理です。
ルートE|返済条件そのものを見直す
債務整理という言葉を聞くと、
「自己破産して全部終わらせる」
というイメージを持つ人もいるかもしれません。
実際には、債務整理には複数の方法があります。
法テラスでは、主な方法として、
- 任意整理
- 破産手続
- 個人再生手続
- 特定調停
を案内しています。
ここからも、制度の説明ではなくAさんのケースで考えてみます。
Aさんが「月3万円なら払える」場合
Aさんは現在の返済条件では厳しいものの、毎月3万円程度なら返済できます。
このように一定の返済余力がある場合には、任意整理を検討するケースがあります。
任意整理は、裁判所などの公的機関を原則利用せず、弁護士や認定司法書士などを通じて債権者と返済条件について話し合う方法です。
法テラスでは、利息制限法所定の利率で計算し直した残元金について、3~5年程度で分割返済する内容で合意するケースが多いと説明しています。ただし、債権者に交渉へ応じる義務があるわけではありません。
したがって、
「任意整理すれば必ず利息がゼロ」
「絶対に毎月返済額が半分になる」
と考えるのは適切ではありません。
Aさんが「借金を大幅に減らせば返せる」場合
借金総額がさらに増えて300万円になったとします。
毎月3万円程度なら返せます。
しかし300万円をそのまま返済するのは難しい。
このような場合に検討されることがあるのが個人再生です。
個人再生は、借金返済が難しくなった人が返済総額を減らした再生計画を作り、裁判所が認めた計画に従って原則3年間返済することで、残りの対象債務の免除を目指す手続きです。税金や養育費など免除されない債務もあります。
実際の返済額は借金総額や財産、収入などによって異なります。
Aさんが「返済に回せるお金がない」場合
さらに状況が悪化し、
手取り22万円
最低生活費22万円
となったとします。
返済へ回せるお金はほとんどありません。
この場合、返済を前提とする方法だけでは解決が難しい可能性があります。
自己破産は、債務を払えない状態にある場合に、債務の免除を目的として裁判所で行う手続きです。
ただし、自己破産を申し立てれば無条件ですべての債務がなくなるわけではありません。
実際にどの債務整理が適しているのかは、借金総額・収入・支出・財産・家族状況などによって判断が変わります。
「いくら借金があったら債務整理?」では判断できない
ここで重要なのが、借金総額だけで債務整理の必要性を判断しないことです。
AさんとBさんを比較してみます。
| Aさん | Bさん | |
|---|---|---|
| 借金 | 300万円 | 150万円 |
| 手取り | 50万円 | 20万円 |
| 生活費 | 30万円 | 19万円 |
| 返済余力 | 20万円 | 1万円 |
借金だけを見ればAさんのほうが多いです。
しかし返済余力は大きく異なります。
借金150万円でも毎月1万円しか返済余力がないBさんのほうが、返済に行き詰まる可能性があります。
したがって重要なのは、
「借金が何万円あるか」より「毎月いくら元金を減らせるか」
です。
東邦銀行以外の借金もあるなら「全部」を見る
東邦銀行カードローンが返せない人ほど、東邦銀行だけを見ないようにしてください。
たとえば、
TOHOスマートネクスト 80万円
消費者金融A 60万円
消費者金融B 30万円
リボ払い 50万円
キャッシング 20万円
なら、借金総額は240万円です。
「東邦銀行へ毎月いくら返すか」だけを考えても、家計全体の問題は解決できません。
次の4つを紙やスマートフォンへ書き出してください。
借金総額
毎月の返済総額
毎月の手取り
最低限必要な生活費
これだけでも、自力返済を続けられる可能性があるのか判断しやすくなります。
東邦銀行カードローンを返済できないときの「赤信号」
この記事では、あえて「何日延滞したら危険」という考え方を基準にしません。
もっと早い段階で確認できます。
次の状態なら注意してください。
返済した金額の半分以上を毎月借り直している
借金返済のために別のカードローンを利用している
半年以上返済しているのに借入残高がほとんど減っていない
借金総額を把握できていない
給料が入っても返済だけでほぼなくなる
完済予定日を説明できない
複数該当する場合は、「返済日は守れているから問題ない」とは考えないほうがよいでしょう。
返済できないと分かった時点で銀行へ確認する
次回の返済が難しいことが分かっている場合には、放置するのではなく契約内容を確認し、必要に応じて東邦銀行へ問い合わせましょう。
東邦銀行では「TOHOスマートネクスト」専用の問い合わせ窓口を設けており、公式サイトで案内しています。
ただし、銀行への相談と債務整理の相談は目的が異なります。
すでに複数社への返済が困難になっている場合には、銀行への問い合わせだけでなく、借金全体について弁護士・司法書士などへ相談することも検討しましょう。
「借金を減らす方法」を4段階で考える
ここまでの内容を整理すると、借金を減らす方法は現在地によって変わります。
LEVEL 1|借り直さない
まず目標にしたい状態です。
毎月の返済後も、新しい借入れをせず次の給料日まで生活します。
LEVEL 2|余裕資金で元金を減らす
生活費や緊急資金を確保したうえで余裕があれば、任意返済などを活用して元金を減らします。
LEVEL 3|家計全体を組み替える
複数社の返済がある場合は、すべての借金・返済額・生活費を一覧化します。
そのうえで、収入だけで完済できる返済計画を作れるか確認します。
LEVEL 4|債務整理で返済条件そのものを見直す
現在の収入では完済できない場合は、任意整理・個人再生・自己破産などを検討します。
法テラスも、返済に無理がある状態では早急に債務整理を行う必要があると案内しています。
まとめ|東邦銀行カードローンが返せないなら「1年後の残高」を考える
東邦銀行のTOHOスマートネクストは、毎月10日(休日の場合は翌営業日)が約定返済日で、返済日前日の借入残高に応じた金額が返済用普通預金口座から引き落とされます。金利は年1.4%~14.6%、借入極度額は10万円~800万円です。
しかし、返済が苦しくなったときに最も重要なのは、
「今月の返済日に間に合うか」だけではありません。
想像してほしいのは1年後です。
今と同じ返済方法を12か月続けたとき、
借金100万円が70万円になるのか。
100万円前後のままなのか。
それとも150万円へ増えているのか。
ここに注目してください。
返済後に借り直しているなら、まず借りずに生活できる家計へ変える。
余裕資金があるなら元金を減らす。
複数の借金があるなら総額を把握する。
そして、現在の収入だけでは完済の道筋を作れないのであれば、返済を借入れで先送りするのではなく、債務整理を含めて返済条件そのものを見直すことを検討します。
法テラスでは、主な債務整理として任意整理・破産手続・個人再生手続・特定調停を案内しています。どの方法が適しているかは個別の状況によって異なるため、弁護士や司法書士などの専門家へ相談して検討することが重要です。
東邦銀行カードローンを含む借金が現在の収入では減らず、返済のための借入れを繰り返しているなら、延滞が深刻になる前に専門家へ相談し、債務整理によって借金を減らしたり返済負担を見直したりできないか確認しましょう。
借金問題を判断する数字は、今日の口座残高だけではありません。
「このまま1年続けたとき、借金はいくらになっているか」まで考えることが、返済方法を見直す重要なきっかけになります。






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