「クレジットカードの支払いを延滞してブラックリストに載った」「債務整理や自己破産をしたため、賃貸住宅を借りられないのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。しかし、信用情報に問題があるからといって、すべての賃貸物件を契約できなくなるわけではありません。賃貸借契約の審査には、家賃保証会社による審査、管理会社や不動産会社による審査、大家による判断など複数の段階があり、確認される情報もそれぞれ異なります。
一方で、信販系の家賃保証会社を利用する物件では、クレジットカードやローンの信用情報が審査結果に影響する可能性があります。本記事では、ブラックリストと呼ばれる状態でも賃貸契約ができる理由、家賃保証会社の審査で確認される項目、審査に落ちやすいケース、通過する可能性を高める対策まで詳しく解説します。
ブラックリストでも賃貸契約はできる
結論からいえば、一般にブラックリストと呼ばれる状態であっても、賃貸契約を結ぶことは可能です。クレジットカードやローンの審査と賃貸住宅の入居審査は、目的も審査主体も同じではないからです。
ただし、どの物件でも問題なく契約できるという意味ではありません。物件が指定する家賃保証会社の種類、現在の収入、過去の家賃滞納、申込内容などによって審査結果は変わります。
「ブラックリスト」という名簿が存在するわけではない
金融分野で使われる「ブラックリスト」は正式な法律用語ではなく、特定の名簿を意味する言葉でもありません。
一般には、クレジットカードやローンの長期延滞、保証会社による代位弁済、債務整理、自己破産などの情報が、個人信用情報機関に登録されている状態を指します。このような情報は、金融実務では「異動情報」や「事故情報」などと呼ばれることがあります。
日本の主な個人信用情報機関は次の3つです。
| 信用情報機関 | 主な加盟事業者 |
|---|---|
| CIC | クレジットカード会社、信販会社など |
| JICC | 消費者金融会社、クレジット会社、保証会社など |
| 全国銀行個人信用情報センター | 銀行、銀行系カード会社、信用保証会社など |
信用情報には、契約内容、残高、返済状況、延滞、保証履行、債務整理などの情報が一定期間登録されます。
たとえばJICCでは、契約内容や返済状況に関する情報について、原則として契約継続中および契約終了後5年以内という登録期間が示されています。全国銀行個人信用情報センターでも、ローンやクレジットカードなどの取引情報は、契約期間中および契約終了日などから5年を超えない期間登録されます。ただし、情報の種類や契約時期によって期間が異なるため、単純に「債務整理から5年たてば必ず消える」と判断することはできません。
参考:JICC「信用情報の内容と登録期間」、全国銀行協会「全国銀行個人信用情報センターの概要」
信用情報に問題があっても賃貸借契約は禁止されない
信用情報に延滞や債務整理の情報が登録されていても、それ自体を理由として賃貸借契約を禁止する法律はありません。
自己破産をした場合も同様です。自己破産によって資格制限を受ける職業は一部ありますが、民間賃貸住宅を借りること自体が一律に禁止されるわけではありません。すでに住んでいる住宅についても、自己破産したという事実だけで当然に退去しなければならないわけではありません。
もっとも、家賃滞納が続いている場合や、賃貸借契約上の義務に重大な違反がある場合は別の問題です。自己破産や信用情報の登録と、現実の家賃滞納による契約上の問題は分けて考える必要があります。
問題になるのは物件が指定する保証会社
信用情報に問題がある方の賃貸契約で、特に注意したいのが家賃保証会社です。
家賃保証会社とは、借主が家賃を滞納したときに、契約内容の範囲内で大家や管理会社へ家賃を立て替える会社です。保証会社が家賃を立て替えても、借主の支払義務がなくなるわけではありません。借主は後日、立替額や契約で定められた費用を保証会社へ支払う必要があります。
保証会社は将来の立替リスクを負うため、契約前に借主の支払能力や過去の取引状況などを審査します。このとき、どの情報を利用するかは保証会社によって異なります。
家賃保証会社の審査は大きく3種類に分けられる
家賃保証会社の審査基準は、一般にすべて公開されているわけではありません。また、審査区分について公的に統一された分類があるわけでもありません。
ただし、賃貸実務では、参照する情報や会社の成り立ちなどから「信販系」「業界団体・データベースを利用する系統」「独立系」といった分け方がよく用いられます。名称だけで審査内容を断定することはできませんが、物件選びの目安にはなります。
信販系の家賃保証会社
信販系とは、クレジットカード会社や信販会社の系列・関連会社、または信用情報機関を利用する資格を持つ会社などを指すのが一般的です。
信販系の保証審査では、申込者の同意に基づき、クレジットカードやローンの利用履歴、返済状況などが確認される場合があります。そのため、信用情報に長期延滞、代位弁済、強制解約、債務整理などの情報が残っていると、審査上不利になる可能性があります。
また、物件によっては保証料や家賃をクレジットカードで決済する契約になっており、家賃保証の審査とカード発行の審査が実質的に関連することもあります。
ただし、「信販系ならブラックリストの人は100%落ちる」と断定することはできません。審査基準は各社が独自に定めており、収入、家賃、勤務状況、申込内容などを含めて総合的に判断されることがあるためです。
家賃滞納などの情報を利用する保証会社
家賃保証業界には、保証会社間で家賃滞納や保証事故などに関する情報を取り扱う仕組みがあります。
このような情報を審査に利用する保証会社では、クレジットカードの延滞歴よりも、過去の家賃滞納や保証会社への未払いが大きな問題になる可能性があります。以前利用した保証会社に立替金を返していない場合や、家賃滞納を理由に保証契約を解除された場合は、別の物件に申し込んでも審査へ影響することがあります。
金融機関への返済状況が良好でも、家賃に関する未払いがあると審査に通らないケースがある点に注意が必要です。
独立系の家賃保証会社
独立系と呼ばれる保証会社は、一般に個人信用情報機関の情報だけに依存せず、自社の審査基準や保有情報を中心に判断する会社を指します。
審査では、現在の収入、家賃負担率、勤務状況、緊急連絡先、本人確認、過去の自社利用状況などが重視される傾向があります。そのため、信用情報に問題があっても、安定収入があり、過去にその保証会社でトラブルを起こしていなければ、契約できる可能性があります。
もっとも、「独立系だから審査が甘い」「必ず通る」というわけではありません。収入に対して家賃が高すぎる場合や、申込書に虚偽がある場合、本人確認ができない場合などは、独立系でも否決される可能性があります。
家賃保証会社の審査で確認される主な項目
家賃保証会社は、申込者が契約後も継続して家賃を支払えるか、本人と連絡を取れるか、申告内容に不自然な点がないかなどを確認します。
具体的な審査基準は会社ごとに異なりますが、一般的には次のような項目が判断材料になります。
収入と家賃のバランス
審査では、収入額だけでなく、収入に対する家賃の割合が確認されます。
一般に家賃は手取り収入の3分の1程度までが一つの目安といわれますが、これは法律上の基準ではありません。保証会社が一律に採用している基準でもないため、実際には申込者の収入形態、同居人数、他の支出、預貯金などを含めて判断されます。
たとえば、手取り月収が18万円の方が家賃9万円の物件に申し込む場合、毎月の収入の半分が家賃になるため、支払いの継続性を厳しく見られる可能性があります。一方、家賃5万円の物件であれば、同じ収入でも負担が抑えられるため、審査上の不安材料を減らせます。
雇用形態と勤続期間
正社員、公務員などの継続性が高い職業は、収入の安定性を説明しやすい傾向があります。しかし、契約社員、派遣社員、パート、アルバイト、個人事業主、フリーランスだからといって、賃貸契約ができないわけではありません。
重要なのは、現在の収入と今後も家賃を支払い続けられることを客観的な書類で示せるかどうかです。給与明細、源泉徴収票、確定申告書、課税証明書、預金残高証明書などが判断材料になります。
転職直後で勤続期間が短い場合は、雇用契約書や採用通知書を提出することで、勤務先や予定収入を説明できる場合があります。
過去の家賃滞納と保証会社への未払い
家賃保証会社にとって、過去の家賃滞納は将来の立替リスクを判断する重要な情報です。
特に、以前の保証会社が立て替えた家賃を返済していない場合、同じ保証会社への再申込みは難しくなることがあります。関連会社や情報を共有する仕組みを利用している会社の審査にも影響する可能性があります。
未払いが残っている場合は、放置せず、以前の保証会社に残額や支払方法を確認することが大切です。ただし、すでに時効期間が経過している可能性がある債務について、安易に支払う意思を示したり一部を支払ったりすると、法的な扱いに影響することがあります。古い債務や時効が疑われる債務については、支払いの約束をする前に弁護士や司法書士へ相談するのが安全です。
申込書の内容と本人確認
氏名、生年月日、住所、勤務先、年収などの申告内容に矛盾があると、支払能力とは別に信用性を疑われる可能性があります。
審査に通りたいからといって、年収を実際より多く書いたり、勤務先を偽ったりしてはいけません。提出書類や在籍確認によって虚偽が判明すると、審査に落ちるだけでなく、契約後に問題となるおそれがあります。
記入ミスであっても確認に時間がかかるため、申込書を提出する前に、住所、電話番号、勤続年数、年収などを見直しましょう。
緊急連絡先や連帯保証人
保証会社を利用する場合でも、緊急連絡先を求められることがあります。緊急連絡先は、原則として借主の家賃を代わりに支払う連帯保証人とは異なります。
連絡の取りやすさから、国内に居住する親族を指定するよう求められる場合があります。親族を用意できないときは、友人や勤務先関係者でもよいか、事前に不動産会社へ確認しましょう。
申込者の状況や物件の条件によっては、保証会社の利用に加えて連帯保証人を求められることもあります。その場合、連帯保証人の収入、年齢、関係性なども審査対象になり得ます。
申込時や確認電話への対応
保証会社から本人、勤務先、緊急連絡先などへ確認電話が入る場合があります。
電話に出られなかったことだけで直ちに否決されるとは限りませんが、長期間折り返さないと本人確認が完了せず、審査が進まない可能性があります。知らない番号から着信があった場合は、不動産会社や保証会社からの連絡ではないか確認しましょう。
受け答えでは、申込書と一致する内容を落ち着いて伝えることが大切です。
ブラックリストの人が賃貸審査に落ちやすいケース
信用情報に問題があることだけが、審査否決の原因とは限りません。複数の不利な要素が重なっているケースもあります。
審査に落ちやすい代表的な状況を確認しておきましょう。
信販系保証会社が必須になっている
物件の指定保証会社が信用情報を利用する信販系であり、他社へ変更できない場合は、金融事故の情報が審査へ影響する可能性があります。
特に、系列のクレジットカード会社や信販会社に未払いがある場合は注意が必要です。保証会社の変更が認められない物件に何度も申し込むより、異なる保証会社を利用できる物件を探すほうが現実的です。
現在も家賃や保証会社への未払いがある
現在進行中の家賃滞納や保証会社への未払いは、信用情報上の問題以上に重く判断される可能性があります。
「以前の部屋を退去したから支払義務もなくなった」と考えるのは危険です。退去後も、未払い家賃、原状回復費用、保証会社の立替金などが残っている場合があります。
請求内容に疑問があるときは、契約書や精算書を確認し、請求元へ内訳を問い合わせましょう。金額や法的責任について争いがある場合は、専門家への相談を検討してください。
収入に対して希望家賃が高い
ブラックリストとは関係なく、希望する部屋の家賃が収入に対して高すぎれば審査は厳しくなります。
家賃だけでなく、管理費や共益費、駐車場代、保証料なども毎月の負担になります。審査通過だけを目的にせず、入居後も無理なく支払える金額を基準に物件を選ぶことが重要です。
短期間に何件も申し込んでいる
審査に落ちるたびに、事情を整理せず同じ条件の物件へ申し込んでも、結果が変わらない可能性があります。
クレジットカードやローンでは申込情報が信用情報機関に一定期間登録されますが、賃貸申込みがすべて同じ仕組みで一元管理されているわけではありません。ただし、同じ管理会社や保証会社へ短期間に繰り返し申し込めば、過去の申込履歴を把握される可能性があります。
一度否決されたら、不動産会社に開示可能な範囲で原因を確認し、保証会社や家賃帯を見直しましょう。
申込内容に虚偽や不自然な点がある
勤務先、収入、入居人数、転居理由などに虚偽があると、契約者としての信用を損ねます。
保証会社の審査に通っても、管理会社や大家の審査で否決される場合があります。家賃を負担する人と契約名義人が異なる場合など、特殊な事情があるときは、隠さず不動産会社へ説明してください。
ブラックリストでも賃貸審査に通る可能性を高める方法
賃貸審査に絶対通る方法はありません。しかし、自分の状況に合う物件と保証会社を選び、必要書類を準備すれば、審査で不利になる要素を減らせます。
次の対策を順番に検討しましょう。
不動産会社に信用情報の事情を事前に伝える
債務整理や長期延滞の経験がある場合は、物件へ申し込む前に不動産会社へ相談するのが有効です。
信用情報の詳細をすべて話す必要はありませんが、「過去にクレジットカードの延滞があるため、信販系以外の保証会社を利用できる物件を希望している」と伝えれば、条件に合わない物件を避けやすくなります。
不動産会社には保証会社の審査に詳しい担当者もいます。ただし、「必ず通る」と保証する業者には注意が必要です。最終的な審査結果は保証会社、管理会社、大家などが判断するため、不動産会社が確約できるものではありません。
信販系以外の保証会社を利用できる物件を探す
信用情報に異動情報が残っている可能性がある場合は、個人信用情報機関の情報を主な判断材料としない保証会社を利用できる物件が候補になります。
不動産会社には、次のように具体的に希望を伝えるとよいでしょう。
- 信販系以外の保証会社を利用できる物件
- 保証会社を複数から選べる物件
- 連帯保証人で相談できる物件
- 保証会社を利用しない物件
- 現在の収入と預貯金を考慮してもらえる物件
ただし、保証会社は借主が自由に選べるとは限りません。多くの物件では、大家や管理会社が指定した保証会社への加入が条件になっています。
家賃を下げる
希望条件を見直し、家賃を下げることは効果的な対策の一つです。
同じ収入でも家賃負担が小さくなれば、支払能力を説明しやすくなります。また、審査に通過した後の生活にも余裕が生まれ、再び家賃を滞納するリスクを抑えられます。
駅からの距離、築年数、部屋の広さ、階数、設備などに優先順位をつけ、譲れる条件を整理しましょう。家賃だけでなく、管理費や更新時の費用も含めた総額で比較することが大切です。
収入証明や預貯金の資料を用意する
収入や資産を客観的に証明できる資料を準備すると、審査を円滑に進めやすくなります。
代表的な資料は次のとおりです。
- 直近数か月分の給与明細
- 源泉徴収票
- 課税証明書または所得証明書
- 確定申告書の控え
- 雇用契約書や採用通知書
- 年金振込通知書
- 預金通帳や残高証明書
- 内定先が発行した収入予定証明書
預貯金が多ければ必ず審査に通るわけではありませんが、無職、転職直後、フリーランスなど、毎月の収入だけでは判断しにくい場合の補足資料になります。
安定収入のある親族を契約者にする方法を慎重に検討する
本人名義では審査が難しい場合、親族が契約者となり、本人が入居者になる契約が認められることがあります。
ただし、大家や管理会社の承諾を得ず、実際に住まない親族の名義を借りて申し込む行為は避けなければなりません。無断の名義貸しや入居者の虚偽申告は、契約違反として問題になる可能性があります。
親族名義で契約したい場合は、最初から不動産会社に事情を伝え、「代理契約」や「親族契約」が可能な物件を紹介してもらいましょう。
連帯保証人を用意できるか相談する
物件によっては、保証会社の変更が難しくても、一定の条件を満たす連帯保証人を立てることで相談できる場合があります。
ただし、保証会社と連帯保証人の両方を求める物件もあるため、連帯保証人がいれば保証会社が不要になるとは限りません。
個人が賃貸借契約の連帯保証人になる場合、保証契約の内容によって重い責任を負います。親族へ依頼するときは、保証の範囲や極度額、契約期間などを契約書で確認してもらい、負担を十分に説明することが必要です。
信用情報を本人開示で確認する
自分が本当にブラックリストと呼ばれる状態なのか分からない場合は、個人信用情報機関へ本人開示を申し込む方法があります。
信用情報は、延滞を解消した直後にすべて消えるとは限りません。また、登録期間は情報の種類や契約時期によって異なります。
信用情報を確認するときは、次の点をチェックしましょう。
- 現在も延滞中と登録されていないか
- 契約が終了しているか
- 残高が正しく反映されているか
- 身に覚えのない契約がないか
- 登録内容に事実と異なる点がないか
事実と異なる情報がある場合は、信用情報機関または情報を登録した会社に調査を求められることがあります。一方、正しい情報を審査対策のために早く消してもらうことは、原則としてできません。
保証会社の審査が難しい場合に検討できる住まい
民間賃貸住宅の審査に何度も落ちる場合は、同じ条件で申込みを繰り返すのではなく、保証の仕組みが異なる住宅や公的な支援を検討しましょう。
住居の確保が急務である場合は、一人で探し続けず、自治体や居住支援法人などへ早めに相談することが大切です。
保証会社が不要なUR賃貸住宅
UR賃貸住宅は、連帯保証人と家賃保証会社のいずれも原則として不要です。そのため、民間の保証会社による審査を避けたい方にとって選択肢になります。
ただし、無条件で入居できるわけではありません。本人の平均月収額や貯蓄額など、URが定める申込資格を満たす必要があります。収入基準を満たせない場合でも、家賃の一時払いなどを利用できる可能性があるため、窓口で確認するとよいでしょう。
URの公式案内でも、連帯保証人と家賃保証会社が不要である一方、住民票や収入証明書などによる資格確認が行われることが示されています。
公営住宅
都道府県や市区町村が運営する公営住宅も選択肢です。
公営住宅は、住宅に困っている低所得者などを対象とした制度で、所得、世帯構成、居住地などの申込条件が定められています。募集時期や入居者の決定方法は自治体によって異なり、応募者が多い地域では抽選になる場合があります。
保証人に関する取り扱いも自治体ごとに異なるため、居住を希望する自治体の窓口や公式サイトで確認してください。すぐに入居できるとは限らないため、民間賃貸住宅と並行して検討することも必要です。
住宅セーフティネット制度と居住支援法人
低額所得者、高齢者、障害者、子育て世帯など、住宅の確保に配慮を必要とする方は、住宅セーフティネット制度や居住支援法人を利用できる可能性があります。
居住支援法人は、都道府県の指定を受け、対象者に対して賃貸住宅の情報提供、入居相談、家賃債務保証、見守りなどの支援を行う法人です。支援内容や対象者は法人によって異なります。
国土交通省は、居住支援法人を「住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居を促進するため、住宅情報の提供・相談や生活支援などを行う法人」と案内しています。
国土交通省に登録された家賃保証会社
国土交通省には、一定の要件を満たした家賃債務保証業者を登録し、その情報を公表する制度があります。
ただし、この登録制度は任意であり、登録を受けていない会社でも家賃債務保証業を営むことは可能です。また、登録会社であれば誰でも審査に通るという制度ではありません。
保証会社の選択権は大家や管理会社側にあることが多いものの、契約内容や保証会社の適正性を確認する際の参考になります。国土交通省は登録事業者の一覧も公開しています。
家賃保証会社の審査に関するよくある質問
ブラックリストと賃貸契約の関係については、信用情報と家賃滞納情報が混同されやすいため注意が必要です。ここでは、よくある疑問を整理して回答します。
自己破産すると現在住んでいる賃貸住宅から退去させられますか?
自己破産を申し立てたという事実だけで、現在の賃貸借契約が当然に解除されるわけではありません。
ただし、家賃を滞納している場合は、自己破産とは別に賃貸借契約上の問題が生じます。また、破産手続開始前の滞納家賃と開始後の家賃では法的な扱いが異なることがあるため、滞納がある場合は破産手続きを依頼している弁護士へ相談してください。
保証会社が家賃を払えば、自分は支払わなくてもよいですか?
支払義務はなくなりません。
保証会社が大家へ家賃を立て替えることは、借主の家賃が免除されることを意味しません。保証会社は、契約に基づいて借主へ立替額を請求します。これを「求償」といいます。
保証会社への支払いを放置すると、督促、保証契約の解除、法的手続きなどにつながる可能性があります。支払いが難しいときは、連絡を無視せず、早い段階で保証会社へ相談しましょう。
保証会社の審査に落ちた理由を教えてもらえますか?
具体的な審査基準や否決理由は、開示されないことが一般的です。
不動産会社へ問い合わせても、「保証会社の総合的な判断」としか回答されない場合があります。そのため、信用情報、過去の家賃滞納、家賃負担率、提出書類、緊急連絡先など、自分で改善できる要素を一つずつ確認する必要があります。
1社の審査に落ちたら、すべての物件を借りられませんか?
1社に落ちても、すべての保証会社や物件で否決されるとは限りません。
保証会社ごとに参照する情報や審査基準が異なるためです。ただし、原因を確認しないまま別の会社へ申し込むと、同じ理由で否決される可能性があります。まずは家賃帯や保証会社の種類を不動産会社と見直しましょう。
債務整理を家賃保証会社へ申告する必要はありますか?
申込書で質問されていない事項まで、自発的にすべて申告しなければならないとは限りません。
ただし、質問された事項には正確に回答しなければなりません。また、信販系保証会社などが申込者の同意を得て信用情報を確認する場合、登録中の情報が審査で把握される可能性があります。
虚偽申告をするのではなく、必要に応じて不動産会社へ「信販系以外の保証会社を希望する」と相談するのが現実的です。
保証会社の審査に通れば必ず入居できますか?
保証会社の承認だけで入居が確定するとは限りません。
賃貸契約では、保証会社とは別に管理会社や大家が審査する場合があります。保証会社の審査を通過しても、入居人数、使用目的、ペット、過去の契約トラブルなどを理由に、貸主側が契約を承諾しない可能性があります。
申込みから契約までの流れと、どの段階で審査が行われるかを不動産会社へ確認しておきましょう。
ブラックリストでも状況に合う保証会社と物件を選ぶことが重要
ブラックリストと呼ばれる状態でも、賃貸契約は可能です。信用情報に延滞や債務整理の情報が登録されているからといって、すべての大家、管理会社、家賃保証会社が同じ情報を確認するわけではありません。
ただし、信販系保証会社が指定されている物件では、クレジットカードやローンの信用情報が審査に影響する可能性があります。また、過去の家賃滞納や保証会社への未払いが残っていれば、信用情報とは別の理由で審査が厳しくなることがあります。
賃貸審査に不安がある場合は、次の順番で対策を進めましょう。
- 自分の信用情報を本人開示で確認する
- 家賃や保証会社への未払いがないか整理する
- 無理なく支払える家賃帯を決める
- 信販系以外の保証会社を利用できる物件について相談する
- 収入証明や預貯金の資料を準備する
- 必要に応じてUR賃貸住宅、公営住宅、居住支援法人を検討する
大切なのは、審査に通ることだけを目的にせず、入居後も家賃を無理なく支払い続けられる物件を選ぶことです。申込内容を偽ったり、無断で他人の名義を使ったりせず、事情を理解してくれる不動産会社へ早めに相談しましょう。
なお、家賃滞納、債務整理、自己破産、消滅時効など個別の法的問題がある場合は、契約状況によって適切な対応が異なります。判断に迷うときは、弁護士、司法書士、法テラスなどの専門窓口へ相談してください。











