過払い金請求のデメリットとは?信用情報への影響・リスクと請求前の注意点を解説

過払い金請求のデメリットとは?信用情報への影響・リスクと請求前の注意点を解説

過払い金請求には、払い過ぎた利息を取り戻せる可能性がある一方、状況によっては信用情報への影響、クレジットカードの解約、請求先との取引停止、弁護士費用などのデメリットがあります。特に注意したいのは、借金を完済してから請求する場合と、返済中に請求する場合で、信用情報に与える影響が異なる可能性がある点です。

また、過払い金が発生しているように見えても、取引の分断、消滅時効、貸金業者の経営状況などにより、想定した金額を回収できるとは限りません。「過払い金が必ず戻る」「請求しても一切不利益はない」といった広告表現だけで判断せず、自分の取引状況を確認することが重要です。

この記事では、過払い金請求の主なデメリット、信用情報に登録される可能性、クレジットカードやローンへの影響、請求前に確認すべきポイントを詳しく解説します。

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目次

過払い金請求とは払い過ぎた利息の返還を求める手続き

過払い金請求とは、貸金業者などに対して法律上の上限を超えて支払っていた利息がある場合に、その返還を求める手続きです。

過払い金が発生する仕組みを理解しておかなければ、実際には対象ではない借入れについて請求を検討してしまうことがあります。まずは、どのような取引で過払い金が発生する可能性があるのかを確認しましょう。

過払い金が発生した背景

かつて貸金業者の金利には、利息制限法の上限金利と、当時の出資法の上限金利との間に差がありました。この範囲は、一般に「グレーゾーン金利」と呼ばれています。

利息制限法の上限金利は、元本額に応じて年15%から20%です。一方、改正前の出資法では、より高い上限金利が定められていました。

一定の要件を満たす弁済を有効とする仕組みも存在していたため、消費者金融会社やクレジットカード会社のキャッシングで、利息制限法の上限を超える金利が設定されていた時期があります。その後、裁判で上限を超える利息の扱いが争われ、利息制限法に基づいて計算し直した結果、元本を超えて支払った部分が過払い金として返還請求の対象となりました。

改正貸金業法の完全施行に伴い、2010年6月18日以降は出資法の上限金利が年20%へ引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃されています。金融庁も、利息制限法の上限を超える金利帯での貸付けは民事上無効になると説明しています。

参考:金融庁「貸金業法のキホン」

このため、過払い金が発生している可能性があるのは、主に改正前から高い金利で借入れと返済を続けていたケースです。

過払い金が発生する可能性がある取引

過払い金の可能性がある代表的な取引は、次のとおりです。

  • 2010年6月以前から利用していた消費者金融の借入れ
  • 以前のクレジットカードによるキャッシング
  • 利息制限法の上限を超える金利で返済していた貸金取引
  • 長期間にわたり借入れと返済を繰り返していた取引
  • すでに完済しているが、完済から長期間が経過していない取引

一方、次のような取引では、通常の過払い金が発生しない可能性が高いと考えられます。

  • 銀行カードローン
  • 住宅ローンや自動車ローン
  • クレジットカードのショッピング利用
  • 2010年6月18日以降に初めて契約した適法な金利の借入れ
  • 法律上の上限金利を超えていない借入れ

ただし、契約日だけで一律に判断することはできません。2010年以前の契約でも、当初から利息制限法の範囲内の金利であれば、過払い金は原則として発生しません。

過払い金の金額は引き直し計算で確認する

過払い金の有無と金額は、貸金業者から取引履歴を取り寄せ、実際の借入額、返済額、金利、取引日などを基に計算します。これを一般に「引き直し計算」といいます。

単純に「返済期間が長いから過払い金がある」「昔の借金だから必ず戻る」と判断することはできません。

途中で完済と再借入れをしている場合は、前後の取引を一つの連続した取引として計算できるか、それぞれ別の取引として扱うかによって、過払い金額や消滅時効の判断が変わることがあります。

過払い金請求で考えられる主なデメリット

過払い金請求は、正当な権利行使であり、請求すること自体が違法になるわけではありません。しかし、請求後の取引関係、費用、時間、回収額などに影響が出る可能性があります。

主なデメリットを請求前に把握しておきましょう。

請求先の会社を利用できなくなる可能性がある

過払い金を請求すると、請求先の消費者金融会社やクレジットカード会社との契約が解約され、今後その会社を利用できなくなる可能性があります。

信用情報に事故情報が登録されなかったとしても、請求を受けた会社が自社内に取引履歴を保有することがあります。このような社内情報は、一般に「社内ブラック」と呼ばれることがありますが、正式な法律用語ではありません。

過払い金請求後に同じ会社へ新規申込みをしても、自社の判断で審査に通らない可能性があります。また、請求先と同じ企業グループに属する会社との取引にも、事実上影響する可能性があります。

個人信用情報機関から情報が削除されたとしても、請求先の社内情報まで当然に削除されるとは限りません。

クレジットカードが解約される可能性がある

クレジットカード会社にキャッシングの過払い金を請求すると、そのカード自体が解約される可能性があります。

キャッシング部分だけを請求したつもりでも、カード契約全体が終了すれば、ショッピング機能、ETCカード、家族カード、付帯保険、ポイントサービスなども利用できなくなることがあります。

そのカードで次のような料金を支払っている場合は、請求前に支払方法を変更しておきましょう。

  • 電気・ガス・水道料金
  • 携帯電話料金
  • インターネット料金
  • 動画や音楽などの定額サービス
  • 保険料
  • 税金や社会保険料
  • 家賃
  • ETC利用料金
  • ネット通販の継続課金

変更を忘れると、利用料金を滞納してしまう可能性があります。過払い金請求そのものではなく、支払方法の変更漏れによって延滞情報が登録される事態は避けなければなりません。

カードに付与されているポイントが失効する可能性もあるため、利用規約を確認しておくことが大切です。

返済中の請求では信用情報に影響する可能性がある

返済中の借金について過払い金を請求すると、引き直し計算後も借金が残る場合があります。

この場合、手続きは単純な過払い金返還請求ではなく、残った借金について返済条件を交渉する任意整理として扱われる可能性があります。任意整理に移行すると、信用情報に債務整理などの情報が登録され、一定期間、クレジットカードやローンの審査に影響する可能性があります。

つまり、信用情報への影響を考えるときは、次の3つを分けて考える必要があります。

請求時の状況引き直し計算の結果信用情報への影響
すでに完済している過払い金がある過払い金請求の事実自体は通常、事故情報として登録されないと考えられる
返済中である借金がゼロになり、さらに過払い金がある最終的に債務がないことが確認されれば、訂正・削除の対象となる可能性がある
返済中である引き直し後も借金が残る任意整理として扱われ、信用情報に影響する可能性がある

CICは、過払い金請求をしたというコメントの登録はないと明記しています。また、法テラスも、過払い金がある場合は法律上支払義務のある金額を完済しているため、通常は事故情報として記録されないと説明しています。

参考:CIC「過払い金請求をした事実は登録されるのですか?」法テラス「過払金の返還請求と事故情報」

ただし、取引履歴を取り寄せる前は、過払い金があるか、引き直し後も残債があるかを正確に判断できない場合があります。返済中の方が信用情報への影響を避けたい場合は、業者へ受任通知や請求書を送る前に、弁護士へ手続きの進め方を確認しましょう。

新たなクレジットカードやローンを利用しにくくなる場合がある

過払い金請求そのものが事故情報として登録されなくても、請求先のカードが解約されたり、残債があるため任意整理になったりすると、新規の借入れへ影響する可能性があります。

信用情報に債務整理や延滞などの情報が登録された場合、次の契約が難しくなることがあります。

  • クレジットカードの新規作成
  • カードローン
  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • スマートフォン端末の分割払い
  • 各種商品のショッピングローン
  • 賃貸住宅の信販系保証会社
  • 他人のローンの保証人になること

審査は各金融機関や保証会社が独自に行うため、「過払い金請求後は必ず何年間ローンを組めない」と一律に断定することはできません。

JICCでは、契約内容、返済状況、債務整理などの取引事実について情報ごとに登録期間を定めています。契約日などにより扱いが異なりますが、契約終了後5年以内などの期間が示されています。

参考:JICC「信用情報の内容と登録期間」

近いうちに住宅ローンや自動車ローンを申し込む予定がある方は、請求前に自分の信用情報と残債の状況を確認しておくことが重要です。

家族カードやETCカードにも影響する可能性がある

本会員のクレジットカードが解約されると、その契約に付属する家族カードやETCカードも使えなくなる可能性があります。

家族には過払い金請求の事実が直接通知されなくても、家族カードが突然使えなくなったことで気付かれる場合があります。

仕事でETCカードを頻繁に使っている方は、利用停止に気付かず料金所で困ることも考えられます。請求前に別の決済手段を準備しておきましょう。

同じグループの銀行口座やローンに影響する場合がある

請求先の貸金業者やクレジットカード会社が、銀行と同じ企業グループに属している場合があります。

過払い金請求をしただけで、同じグループの銀行口座が必ず凍結されるわけではありません。しかし、同じ会社や関連会社に未払いの債務がある場合、保証関係や相殺などが問題になる可能性があります。

たとえば、銀行カードローンの保証会社が過払い金の請求先と同じ会社である場合、カードローンの状況によっては慎重な確認が必要です。

給与振込口座、住宅ローン、銀行カードローンなどの取引がある方は、過払い金の請求先と関連会社の関係を確認し、弁護士へすべての借入状況を伝えてください。

請求しても満額を回収できるとは限らない

引き直し計算で算出された過払い金と、実際に返還される金額が同じになるとは限りません。

貸金業者との任意交渉では、返還率や支払時期について交渉が行われることがあります。早期解決を優先して一定額で和解する場合は、計算上の過払い金より返還額が少なくなる可能性があります。

満額に近い返還を求めて訴訟を起こしても、取引の分断、消滅時効、悪意の受益者に関する利息などが争われ、請求が一部しか認められないことがあります。

裁判で請求が認められる見込みと、解決までの期間、弁護士費用などを比較し、和解するか訴訟を続けるかを判断する必要があります。

貸金業者の経営状況によって回収額が減る可能性がある

過払い金返還請求権があっても、請求先の貸金業者に十分な支払能力がなければ、全額を回収できない可能性があります。

貸金業者が倒産した場合、通常の過払い金請求ではなく、破産手続や再生手続の中で債権届出を行うことになる場合があります。債権者への配当率が低ければ、計算上の過払い金の一部しか受け取れないこともあります。

また、かつて利用していた会社が合併、事業譲渡、会社分割などを行っていると、現在の請求先を調査しなければならないことがあります。

会社名が変わっているからといって請求できないとは限りませんが、どの会社が返還義務を引き継いでいるかは個別確認が必要です。

解決まで時間がかかることがある

貸金業者から取引履歴を取得し、引き直し計算を行い、返還交渉をして入金されるまでには時間がかかります。

任意交渉で合意できなければ、訴訟を提起することもあります。訴訟になれば、次のような手続きが必要です。

  1. 訴状や証拠書類を準備する
  2. 裁判所へ訴訟を提起する
  3. 貸金業者の主張に反論する
  4. 期日に対応する
  5. 和解または判決を待つ
  6. 支払期限まで待つ

争点が多い場合や、貸金業者が取引の分断や時効を主張する場合は、解決まで長期化する可能性があります。

すぐに生活費が必要だからといって、過払い金を短期間で必ず受け取れるとは限りません。返還予定金を前提に支出の計画を立てないようにしましょう。

弁護士費用や司法書士費用がかかる

専門家へ依頼する場合は、相談料、着手金、基本報酬、解決報酬、過払い金報酬、訴訟費用、実費などが発生することがあります。

報酬体系は事務所によって異なり、「相談無料」「着手金0円」と表示されていても、回収後に成功報酬や実費が差し引かれる場合があります。

依頼前には、少なくとも次の項目を確認しましょう。

  • 1社あたりの着手金や基本報酬
  • 返還された金額に対する成功報酬の割合
  • 訴訟を起こした場合の追加報酬
  • 裁判所へ納める印紙代や郵便費用
  • 過払い金が回収できなかった場合の費用
  • 依頼を途中で解約した場合の費用
  • 手元に残る見込額

過払い金額が少ない場合は、回収額より費用の負担が大きくなる可能性もあります。

裁判を起こすと手間と費用が増える

自分で過払い金請求訴訟を起こすことも法律上は可能ですが、訴状の作成、証拠の整理、裁判期日への対応などが必要です。

平日に裁判所へ行くため、仕事を休まなければならない場合もあります。相手方から複雑な法律上の反論を受けると、自分だけで対応するのが難しくなることもあります。

専門家に依頼すれば負担を減らせますが、その分費用が発生します。請求額と争点の複雑さを踏まえ、自分で進めるか依頼するかを検討しましょう。

家族に知られる可能性がある

過払い金請求をしたことが、裁判所や貸金業者から家族へ一律に通知されるわけではありません。しかし、郵便物、電話、カードの解約、家族カードの利用停止などを通じて知られる可能性があります。

共同で使っているカードや口座がある場合は、家族の生活にも影響することがあります。

家族に知られず手続きしたい場合は、法律事務所からの連絡方法や郵便物の差出人名、連絡可能な時間帯などを相談しておきましょう。ただし、完全に知られないことを保証してもらえるわけではありません。

過払い金請求は信用情報に登録されるのか

過払い金請求に関する大きな不安が、「ブラックリストに載るのか」という点です。

ブラックリストという正式な名簿があるわけではありません。一般には、延滞、債務整理、代位弁済、強制解約などの情報が個人信用情報機関に登録され、ローンやクレジットカードの審査で不利になる状態を指します。

完済後の過払い金請求は通常ブラックリストの原因にならない

借金をすでに完済している状態で過払い金を請求する場合、返還請求をした事実そのものが事故情報として登録されるわけではないと考えられます。

CICは、過払い金請求をしたというコメントの登録はないと明確に回答しています。

また、過払い金は本来支払う必要がなかった金銭です。完済後の返還請求は、残っている借金の減額を求める債務整理とは性質が異なります。

ただし、請求先の会社が自社で請求履歴を保有し、今後の取引を断る可能性はあります。信用情報機関への登録がないことと、請求先の会社を再び利用できることは別問題です。

返済中は引き直し後の残債で扱いが変わる

返済中の借金について請求する場合、最初から「過払い金が確実にある」とは限りません。

引き直し計算の結果、次のいずれになるかで扱いが変わります。

借金がゼロになり過払い金が発生する場合

利息制限法に基づく計算で借金が完済済みとなり、さらに過払い金が発生している場合は、法律上支払うべき債務が残っていないことになります。

一時的に信用情報へ何らかの登録がされた場合でも、債務がないことが確定すれば、登録した貸金業者や信用情報機関へ訂正を申し出る対応が考えられます。

借金は減るが残債が残る場合

引き直し後も借金が残る場合、その残債について将来利息のカットや分割返済を交渉すると、任意整理となる可能性があります。

任意整理に関する情報が登録されると、一定期間、新たなクレジットカードやローンの審査へ影響することがあります。

実際には過払い金がなかった場合

取引履歴を確認した結果、当初から適法な金利であり、過払い金が存在しないこともあります。

受任通知を送付して返済を止めた後に過払い金がないと判明した場合、返済停止の状況によっては延滞などの問題が生じるおそれがあります。

返済中の方は、結果が分からないまま請求手続きを開始するのではなく、取引履歴を取り寄せる段階と、正式に債務整理へ入る段階を区別して相談することが重要です。

信用情報が心配なら本人開示を利用する

自分の信用情報に何が登録されているかは、CICやJICCなどへ本人開示を申し込むことで確認できます。

確認すべき主な項目は次のとおりです。

  • 契約が終了しているか
  • 残高がゼロになっているか
  • 延滞情報が登録されていないか
  • 債務整理などの情報が登録されていないか
  • 身に覚えのない契約がないか
  • 登録内容が実際の取引と一致しているか

登録内容が事実と異なる場合は、信用情報機関や情報を登録した会社へ調査・訂正を求められる可能性があります。

ただし、正しい延滞情報や債務整理情報を、ローンの予定があるという理由だけで早く削除してもらうことは原則としてできません。

過払い金請求には消滅時効がある

過払い金返還請求権は、いつまでも行使できるわけではありません。一定期間が経過し、貸金業者が消滅時効を主張すると、返還を受けられない可能性があります。

ただし、時効の起算点は取引の継続性や契約内容などによって争われることがあります。

一般に取引終了時が重要になる

最高裁判例では、過払い金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な取引について、特段の事情がない限り、その取引が終了した時点から過払い金返還請求権の消滅時効が進行すると判断されています。

参考:裁判所「過払い金返還請求権の消滅時効に関する判例」

一般には、最後の取引から10年という期間が目安として説明されることが多いものの、民法改正の適用関係、権利を行使できると知った時期、取引が一連か分断されているかなどにより判断が変わる可能性があります。

「最後に返済してから10年以内だから必ず請求できる」と断定せず、早めに資料を確認することが大切です。

完済後に再借入れした場合は取引の分断が争われる

いったん借金を完済して契約を解約し、期間を空けて同じ会社から再び借りた場合、前後の取引を一つとして扱うか、別々の取引として扱うかが問題になることがあります。

別の取引と判断された場合、古い取引についてだけ消滅時効が完成している可能性があります。また、前後の過払い金と借金を通算できるかどうかも変わります。

判断材料になるのは、空白期間の長さ、契約書の有無、カードの返却、契約番号、再契約時の審査などです。

通帳や契約書が残っていなくても調査できる場合があるため、自己判断で諦めず、分かる範囲の取引時期を整理して相談しましょう。

時効が迫っている場合は照会だけで安心しない

貸金業者へ電話で問い合わせたり、取引履歴を取り寄せたりしただけで、必ず消滅時効の完成が阻止されるとは限りません。

時効の完成を猶予・更新させるためには、裁判上の請求など法的に有効な対応が必要になる場合があります。

完済から長期間が経過している方は、取引履歴の到着を待っている間に時効期間が経過するおそれもあるため、早めに弁護士へ相談してください。

過払い金請求前に確認すべきポイント

過払い金請求のデメリットを抑えるには、請求先へ連絡する前に取引状況と生活への影響を整理することが重要です。

次のチェック項目を順番に確認しましょう。

完済済みか返済中かを確認する

信用情報への影響を考えるうえで、最も重要なのが完済の有無です。

自分では完済したつもりでも、カード契約が継続していたり、少額の残高が残っていたりする場合があります。利用明細、契約書、信用情報などで残高と契約状態を確認しましょう。

複数の契約がある場合、一つの契約を完済していても、同じ会社の別契約に残債がある可能性があります。

請求先のカードや関連サービスを確認する

請求によってカードが解約されても困らないように、次の点を確認します。

  • 公共料金の支払いに使っていないか
  • ETCカードを利用していないか
  • 家族カードを発行していないか
  • ポイントが残っていないか
  • 付帯保険を利用していないか
  • 分割払い・リボ払いの残高がないか
  • 同じ会社の別カードを持っていないか

カードにショッピング残高がある場合、キャッシングの過払い金と相殺される可能性があります。相殺後もショッピング債務が残れば、信用情報への影響を含めて検討が必要です。

他の借入れや保証関係をすべて伝える

弁護士や司法書士へ相談するときは、過払い金を請求したい会社だけでなく、現在利用しているすべての借入れを伝えましょう。

特に、次の関係は確認が必要です。

  • 請求先が銀行カードローンの保証会社になっている
  • 同じグループの金融機関から借入れがある
  • 請求先のカードにショッピング残高がある
  • 家族カードや追加カードを利用している
  • 近く住宅ローンや自動車ローンを申し込む予定がある

一つの取引だけを見て請求すると、別の契約への影響を見落とす可能性があります。

費用と手取り額を比較する

広告に表示された「過払い金○○万円」という金額が、そのまま手元に入るとは限りません。

実際の手取り額は、次のように考えます。

過払い金の返還額-弁護士・司法書士報酬-裁判費用-実費=実際の受取額

依頼前に見積書を受け取り、任意交渉で解決した場合と訴訟を起こした場合の費用をそれぞれ確認しましょう。

「完全成功報酬」と書かれていても、事務手数料や通信費などが別に発生しないか確認が必要です。

専門家の取扱範囲を確認する

過払い金請求は弁護士へ依頼できます。認定司法書士も、法令で認められた範囲内で代理や相談を行えますが、請求額や訴訟を行う裁判所などによって取扱範囲に制限があります。

請求額が大きい場合、複雑な争点がある場合、地方裁判所での訴訟が想定される場合は、対応可能な範囲を事前に確認しましょう。

相談先が弁護士または法令上の範囲で対応する司法書士であることも重要です。過払い金の調査をうたう無資格業者へ、法律判断や交渉を依頼してはいけません。

税金が発生する可能性を確認する

返還された過払い金の元本部分は、一般に払い過ぎた金銭が戻ったものとして扱われます。一方、過払い金に付された利息については、所得税上の取扱いを確認する必要が生じる場合があります。

課税関係は、受取額、利息の有無、他の所得などによって異なる可能性があります。高額な利息を受け取った場合は、税務署または税理士へ確認しましょう。

過払い金請求のデメリットに関するよくある質問

過払い金請求と信用情報の関係は、完済後の請求と返済中の手続きが混同されやすい部分です。

ここでは、よくある疑問に回答します。

過払い金請求をすると必ずブラックリストに載りますか?

必ず登録されるわけではありません。

完済後に過払い金だけを請求する場合、過払い金請求をした事実自体は、通常、事故情報として登録されないと考えられます。CICも、過払い金請求をしたというコメントの登録はないと案内しています。

一方、返済中に手続きを始め、引き直し後も借金が残って任意整理となった場合は、信用情報へ影響する可能性があります。

過払い金請求後に住宅ローンを組めますか?

完済後の過払い金請求だけであれば、その事実自体が信用情報に事故情報として登録されるわけではないため、住宅ローンを申し込むことは可能です。

ただし、ローンの承認を保証するものではありません。住宅ローンでは、年収、勤続年数、他の借入残高、返済比率、延滞履歴、物件の担保評価などが総合的に審査されます。

返済中の請求が任意整理になった場合や、過去に延滞がある場合は、審査へ影響する可能性があります。

取引履歴を取り寄せるだけでも信用情報に影響しますか?

本人が過去の取引内容を確認するために取引履歴の開示を求めることと、借金の減額交渉を正式に開始することは同じではありません。

ただし、専門家が債務整理の受任通知を送付し、返済を停止した場合は状況が異なります。返済中の方は、「調査だけをしたいのか」「そのまま請求・任意整理まで依頼するのか」を相談時に明確にしてください。

過払い金請求をすると家族に影響しますか?

家族の信用情報へ、本人の過払い金請求がそのまま登録されるわけではありません。

ただし、家族カードの停止、共同利用している決済の変更、家計への影響などを通じて、家族が不便を受ける可能性があります。

また、家族が本人のローンの保証人になっている場合などは、別途契約内容の確認が必要です。

過払い金請求をすると勤務先に知られますか?

一般的な過払い金請求について、貸金業者や裁判所が勤務先へ一律に通知するわけではありません。

ただし、会社の電話番号を連絡先にしている場合、勤務先へ連絡が入る可能性があります。また、訴訟期日に出席するため仕事を休む必要が生じることもあります。

法律事務所との連絡には、個人の電話番号やメールアドレスを使用しましょう。

自分で請求すればデメリットをなくせますか?

自分で請求すれば専門家への報酬を抑えられる可能性はありますが、他のデメリットがなくなるわけではありません。

カードの解約、請求先との今後の取引停止、信用情報への影響、消滅時効、回収額の減額などは、自分で請求しても生じる可能性があります。

また、計算や交渉を誤ると、本来回収できた金額より低い金額で和解することも考えられます。

過払い金請求は信用情報と他の契約を確認してから進めよう

過払い金請求には、払い過ぎた利息を取り戻せる可能性がある一方で、次のようなデメリットがあります。

  • 請求先の会社を今後利用できなくなる可能性がある
  • クレジットカードや付帯するETCカードが解約される可能性がある
  • 返済中で残債がある場合は信用情報へ影響する可能性がある
  • 同じグループのローンや保証関係を確認する必要がある
  • 計算上の過払い金を満額回収できるとは限らない
  • 解決まで時間がかかることがある
  • 弁護士・司法書士費用や訴訟費用がかかる
  • 消滅時効により請求できない可能性がある
  • 家族カードや継続決済へ影響することがある
  • 貸金業者の倒産などで回収額が減る可能性がある

特に重要なのは、完済後の過払い金請求と、返済中の請求を区別することです。

完済後に過払い金だけを請求する場合、請求した事実自体が通常の事故情報として登録されるとは考えにくい一方、返済中に引き直し計算をしても借金が残り、その残債を任意整理する場合は、信用情報に影響する可能性があります。

請求前には、残債、クレジットカードのショッピング利用、公共料金の支払先、関連会社のローン、住宅ローンの予定などを整理しましょう。そのうえで、実際に戻る見込額と費用、信用情報への影響を比較することが大切です。

過払い金の有無や消滅時効は、取引履歴を確認しなければ正確に判断できません。古い契約書や明細が手元になくても調査できる場合があるため、心当たりがある方は早めに弁護士などの専門家へ相談してください。

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