買い物依存で借金が増えた人へ|返済と再発防止を同時に進める具体的な方法

買い物依存で借金が増えた人へ|返済と再発防止を同時に進める具体的な方法

買い物をやめたいのに繰り返してしまい、クレジットカードや後払い決済、カードローンの残高が増えている場合、返済だけを頑張っても問題が再発する可能性があります。一方で、買い物の原因を考えることに集中し、滞納している借金への対応を後回しにすると、遅延損害金や一括請求、差し押さえなどのリスクが高まります。

大切なのは、借金を整理する「お金の対策」と、買い物を繰り返さないための「行動・心理面の対策」を同時に進めることです。本記事では、借金の現状を確認する方法、返済計画や債務整理の選び方、買い物へアクセスしにくくする仕組み、専門機関への相談まで具体的に解説します。

ライズ綜合法律事務所 債務整理 借金相談 オンライン 借金減額シミュレーター 口コミ 評判
目次

買い物依存で借金が増える仕組み

買い物による借金は、単に欲しい物を多く買った結果とは限りません。ストレス、不安、孤独感、自己評価の低下などを一時的に和らげるために買い物を繰り返し、その後に後悔や罪悪感が生じるケースがあります。

「次から我慢する」という意思だけで対応しようとすると、同じ状況になったときに再び買ってしまう可能性があります。まずは、借金が増える流れを客観的に把握しましょう。

買った瞬間の満足感を繰り返し求める

商品そのものが必要というより、商品を選ぶ時間、注文を確定する瞬間、荷物が届くときの高揚感を求めて買い物を繰り返すことがあります。

一時的に気分が良くなっても、その効果は長続きしません。支払日が近づくと不安や後悔が強くなり、その気持ちを紛らわせるために、また買い物をするという循環に入る場合があります。

典型的な流れは次のとおりです。

  1. 仕事、人間関係、孤独などでストレスを感じる
  2. 通販サイトやSNSを見る
  3. 商品を購入して一時的に気分が高揚する
  4. 商品が届いた後に罪悪感や不安を感じる
  5. 請求額を見ないようにする
  6. 返済資金が足りず、新たに借り入れる
  7. 不安を忘れるため、再び買い物をする

この循環を断つには、返済額を減らすだけでなく、ストレスを感じたときに買い物以外の行動を選べる仕組みが必要です。

クレジットカードで支出の実感が薄くなる

現金で支払う場合は、財布からお金が減るため、支出を実感しやすい傾向があります。一方、クレジットカード、後払い決済、キャリア決済などは、購入時点で現金が減りません。

アプリに登録したカードでワンタップ決済ができると、支払能力を確認する前に購入しやすくなります。

さらに、複数のカードや決済サービスを使っていると、「今月合計でいくら使ったのか」が分かりにくくなります。

リボ払いで借金総額が見えにくくなる

リボ払いは、利用額が増えても毎月の支払額が大きく変わらない場合があります。そのため、家計に余裕があるように錯覚し、さらに買い物を続けてしまうことがあります。

しかし、残高が増えるほど支払期間が長くなり、手数料の負担も増えます。毎月支払っているのに元金が思うように減らない状態になることもあります。

リボ払いを利用している場合は、毎月の請求額だけでなく、次の項目を確認してください。

  • リボ利用残高
  • 実質年率
  • 毎月の元金充当額
  • 毎月の手数料
  • 現在の支払コース
  • 完済予定時期
  • 新規利用を続けた場合の残高

「毎月1万円なら払える」ではなく、「完済までに何か月かかり、総額でいくら支払うか」を確認することが重要です。

借金を借金で返す状態になる

クレジットカードの引落しに間に合わせるためカードローンを借りる、カードローンの返済を別の消費者金融から借りて支払うといった状態は、多重債務が進んでいるサインです。

新たな借り入れで一時的に滞納を避けても、借金総額は減りません。金利や手数料が加わり、翌月以降の返済負担がさらに増える可能性があります。

返済のための借り入れが必要になった段階では、通常の節約だけで完済できるのか、専門家と一緒に再計算した方がよいでしょう。

買い物依存かもしれないときのチェックポイント

「買い物依存」は日常的に使われる表現ですが、本人だけで医学的な診断を決めることはできません。買い物行動の背景に、うつ、不安、発達特性、双極性障害の躁状態など、別の問題が関係している可能性もあります。

次の項目に複数該当し、生活や家計に支障が出ている場合は、借金相談と併せて医療・心理面の相談を検討しましょう。

買い物を自分で止められない

注意したい行動には、次のようなものがあります。

  • 買わないと決めても購入してしまう
  • 予算を決めても守れない
  • 必要のない商品を大量に買う
  • 同じような商品を何個も買う
  • 未開封の商品が増えている
  • 購入後に商品へ興味を失う
  • 返品可能期間を過ぎるまで商品を隠す
  • セールや限定品を見ると落ち着かなくなる
  • 深夜に長時間通販サイトを見続ける
  • SNSで紹介された商品を衝動的に買う

一度の高額な買い物だけで依存と決まるわけではありません。買い物行動を制御できず、それによって借金や家庭問題などの不利益が生じても続けてしまう状態が問題です。

家族に購入額や借金を隠している

家族へ金額を少なく伝える、荷物を営業所やコンビニで受け取る、明細や請求書を隠すといった行動がある場合、本人も買い物に問題があると認識している可能性があります。

借金を隠すためにさらに借り入れ、支払日だけを乗り切ろうとすると、発覚したときの借金額が大きくなります。

家族へ話すことが安全上難しい事情がない限り、信頼できる家族や専門家へ早めに相談することが重要です。

生活費や支払いより買い物を優先する

次の支払いを後回しにして買い物をしている場合は、生活への影響が大きくなっています。

  • 家賃
  • 電気・ガス・水道料金
  • 食費
  • 税金
  • 社会保険料
  • 医療費
  • 子どもの教育費
  • ローン返済
  • クレジットカード代金

生活に不可欠な支払いができない状態では、新規購入を止めるだけでなく、家計と債務を早急に整理する必要があります。

買い物後に強い罪悪感や落ち込みがある

購入中は気分が高揚するものの、その後に強い自己嫌悪や落ち込みが生じる場合があります。

借金への不安で眠れない、仕事に集中できない、食事が取れない、消えてしまいたいと感じるといった状態があるときは、一人で抱え込まないでください。

心身の安全を優先し、医療機関、地域の精神保健福祉センター、よりそいホットラインなど、利用できる相談先につながることが重要です。緊急性がある場合は、119番や110番などへ連絡してください。

返済と再発防止は同時に進める必要がある

買い物で借金が増えた場合、「借金を完済してから買い物の問題を考える」という順番では、返済中に再び借金が増える可能性があります。

反対に、買い物を止めることだけに集中しても、すでに滞納している借金の督促や遅延損害金は止まりません。

返済だけでは買い物の原因が残る

債務整理によって毎月の返済額が減っても、衝動買いの原因や決済環境が変わらなければ、再び後払い決済や知人からの借金などを利用するおそれがあります。

特に、自己破産や個人再生によって借金負担が軽減された後、「家計に余裕ができた」と感じて買い物を再開すると、生活再建が難しくなります。

債務整理は借金を法的・経済的に整理する方法であり、それだけで依存的な行動を治療する制度ではありません。

再発防止だけでは利息や督促を止められない

買い物を完全に止めても、既存の借金には利息や遅延損害金が発生することがあります。

返済を放置すると、次のような事態へ進む可能性があります。

  • カードの利用停止
  • 残額の一括請求
  • 保証会社による代位弁済
  • 債権回収会社への移管
  • 支払督促
  • 民事訴訟
  • 給与や預金の差し押さえ

買い物を止める対策と同時に、現在の収入で借金を返せるかを計算し、返済が難しければ債務整理を検討しましょう。

「借金」と「行動」の相談先は異なる

借金の整理は、弁護士、認定司法書士、法テラスなどへ相談します。

買い物を制御できない状態や、その背景にあるストレス、気分の変化については、精神科、心療内科、精神保健福祉センター、保健所、カウンセリング機関などが相談先になります。

また、通販契約や定期購入、悪質商法、身に覚えのない請求などのトラブルは、消費生活センターが相談先です。

一つの窓口ですべてを解決しようとせず、問題ごとに適切な専門機関を組み合わせることが重要です。

最初に借金の全体像を確認する

返済計画を立てる前に、借入先、残高、金利、毎月の支払額をすべて書き出します。

請求書を見ることが怖くても、総額を把握しなければ、返済可能かどうかを判断できません。

すべての借入先と決済サービスを書き出す

確認する対象は、消費者金融や銀行カードローンだけではありません。

次の契約も含めて整理しましょう。

  • クレジットカードの一括払い
  • 分割払い
  • リボ払い
  • キャッシング
  • 銀行カードローン
  • 消費者金融
  • 後払い決済
  • キャリア決済
  • 通販サイトの分割払い
  • ショッピングローン
  • 質屋
  • 奨学金
  • 家族や友人からの借金
  • 滞納している家賃
  • 税金や社会保険料
  • スマートフォン端末の分割代金

アプリからカードを削除する前に、利用明細や残高を保存してください。ログインできなくなると、借金の確認に時間がかかる場合があります。

借金一覧表を作成する

借金は次のような表にまとめると、全体像を把握しやすくなります。

借入先・サービス残高金利・手数料率毎月の支払額支払日滞納
クレジットカードA例:60万円例:年15%例:2万円毎月27日なし
カードローンB例:40万円例:年18%例:1万2,000円毎月末1か月
後払いC例:8万円契約による一括翌月10日なし

金額が分からない場合は、会員ページ、利用明細、契約書、信用情報の開示などで確認します。

信用情報を開示する

借入先をすべて把握できない場合は、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターへ本人開示を申し込む方法があります。

信用情報には、ローンやクレジットカードの契約内容、残高、返済状況などが登録されています。

ただし、家族や友人からの借金、税金、家賃など、信用情報に登録されない債務もあります。信用情報だけで全債務を把握できるとは限りません。

手取り収入と生活費を計算する

次に、毎月の返済へ回せる金額を計算します。

計算の基本は次のとおりです。

「手取り収入-生活に必要な支出-臨時支出への予備費=返済可能額」

生活に必要な支出には、次のようなものがあります。

  • 家賃または住宅費
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 税金・社会保険料
  • 医療費
  • 教育費
  • 通勤費
  • 保険料
  • 最低限の日用品費

買い物を一切しない前提で限界まで高い返済額を設定すると、計画を維持できない可能性があります。急な医療費や家電の故障にも対応できるよう、少額でも予備費を確保しましょう。

自力返済を進める方法

借金総額が比較的少なく、安定した収入があり、追加の買い物を止めれば完済できる場合は、自力返済を検討できます。

ただし、返済期間と総返済額を計算し、現実的に続けられる計画であることが条件です。

新規利用を停止する

返済を始めても、クレジットカードや後払い決済の利用を続ければ、残高が減らない可能性があります。

まず次の対策を行います。

  • 通販サイトからカード情報を削除する
  • スマートフォンの決済アプリからカードを外す
  • 後払い決済を退会または停止する
  • キャリア決済の利用上限を下げる
  • クレジットカードを持ち歩かない
  • カード会社へ利用枠の減額を相談する
  • キャッシング枠を停止する
  • リボ払いの自動設定を解除する
  • メールやアプリのセール通知を停止する

ただし、カードをはさみで切っても契約や残高はなくなりません。解約による公共料金などの支払いへの影響を確認してください。

返済計画を数字で作る

各借金について、「毎月いくら払えば、いつ完済できるか」を確認します。

返済計画には少なくとも次の事項を記載します。

  • 現在の残高
  • 適用金利
  • 毎月の返済額
  • 利息に充てられる金額
  • 元金に充てられる金額
  • 完済予定月
  • 総支払予定額

カード会社や金融機関が返済シミュレーションを公開している場合は活用できます。

金利が高い借金から優先的に返済する方法は総利息を抑えやすい一方、最低返済額の支払いを忘れると滞納になります。すべての借入先へ必要額を支払ったうえで、余裕資金を追加返済へ回してください。

ボーナスを前提にしすぎない

賞与は会社の業績や本人の勤務状況によって減る可能性があります。ボーナスがなければ維持できない返済計画は、将来破綻するリスクがあります。

毎月の給与だけで最低返済額を確保し、賞与は余裕がある範囲で追加返済へ充てる方が安全です。

おまとめローンは総返済額を確認する

複数の借金を一本化するおまとめローンによって、毎月の返済管理がしやすくなり、適用金利が下がる場合があります。

ただし、毎月の返済額だけを下げると返済期間が長くなり、総返済額が増える可能性があります。また、借金を一本化した後に空いたカード枠を再利用すると、借金が以前より増えるおそれがあります。

審査に通るとも限らないため、おまとめローンだけを前提に解決を先送りしないようにしましょう。

自力返済が難しい場合に検討する債務整理

収入から生活費を引いた金額では完済の見込みが立たない場合は、早めに債務整理を検討します。

法テラスは、主な債務整理として任意整理、破産手続、個人再生手続、特定調停を案内しています。詳しくは法テラスの債務・貸付に関する案内で確認できます。

任意整理

任意整理は、裁判所を利用せず、弁護士や認定司法書士などが債権者と返済条件を交渉する方法です。

一般的には、取引履歴を確認して債務額を確定し、将来利息のカットや3~5年程度の分割返済を交渉します。

任意整理が向いている可能性があるのは、次のような人です。

  • 安定収入がある
  • 将来利息がなくなれば返済できる
  • 元金を3~5年程度で返せる見込みがある
  • 保証人付きの借金などを対象から外したい
  • 自宅や車への影響を抑えたい

ただし、債権者に交渉へ応じる義務はなく、元金が大幅に減るとは限りません。

買い物を続けたまま任意整理をすると、和解後の返済ができなくなる可能性があります。再発防止策とセットで進めることが重要です。

特定調停

特定調停は、簡易裁判所の調停委員会が債務者と債権者の間に入り、返済方法の合意を目指す手続です。

専門家へ依頼せず本人が申し立てることもできますが、書類の準備や裁判所への出席が必要です。

調停が成立すると調停調書には強い法的効力が生じ、その後に滞納した場合、債権者が強制執行へ進む可能性があります。返済可能額を正確に計算したうえで合意する必要があります。

個人再生

個人再生は、裁判所へ申し立て、法律上の基準に従って借金を減額し、原則として3年間で返済する手続です。

減額後の金額を返済できる継続的または反復的な収入が必要です。

個人再生が向いている可能性があるのは、次のような人です。

  • 任意整理では返済できない
  • 借金を減額すれば返済できる
  • 安定した収入がある
  • 自己破産を避けたい事情がある
  • 条件を満たして住宅を残したい

浪費による借金があるという理由だけで、直ちに個人再生を利用できなくなるわけではありません。ただし、申立ての誠実性や再生計画の履行可能性は確認されます。

自己破産

自己破産は、借金を継続的に返済できない場合に裁判所へ申し立て、免責によって支払責任の免除を目指す手続です。

買い物による過度な浪費は、免責不許可事由に該当する可能性があります。しかし、浪費があれば絶対に免責されないわけではなく、裁判所が一切の事情を考慮し、裁量で免責を許可する場合があります。

裁量免責の判断では、次のような事情が考慮される可能性があります。

  • 浪費の金額や期間
  • 総債務に占める割合
  • 現在は買い物を止めているか
  • 家計を改善しているか
  • 借金の経緯を正直に説明しているか
  • 裁判所や破産管財人の調査に協力しているか
  • 再発防止へ取り組んでいるか
  • 財産隠しなど別の問題がないか

自己破産を検討している場合、購入履歴や借金の原因を隠してはいけません。通帳、クレジットカード明細、通販サイトの購入履歴などを保存し、弁護士へ正確に説明してください。

買い物へのアクセスを減らす再発防止策

再発防止は、本人の意思だけに頼るのではなく、「買いたいと思ってもすぐには買えない環境」を作ることが重要です。

複数の対策を組み合わせることで、衝動と購入の間に考える時間を作れます。

通販アプリと決済情報を削除する

スマートフォンに通販アプリがあると、ストレスを感じたときにすぐ商品を探せます。

次の設定を見直しましょう。

  • 通販アプリを削除する
  • ログアウトする
  • 保存済みカード情報を削除する
  • 生体認証による購入を解除する
  • ブックマークを削除する
  • セール通知を停止する
  • 販売店のメールマガジンを解除する
  • SNSのショッピング関連アカウントをミュートする
  • 広告のパーソナライズ設定を見直す

パスワードを家族だけが管理する方法は、本人の同意と家族関係に配慮して行ってください。

24時間または72時間ルールを作る

欲しい商品を見つけてもその場では買わず、一定時間待ってから判断します。

例えば、次のようなルールです。

  • 3,000円未満でも24時間待つ
  • 1万円以上は72時間待つ
  • 欲しい物リストへ入れるだけにする
  • 待っている間に所有品を確認する
  • 購入目的を文章で書く
  • 予算内か家計表で確認する
  • 信頼できる人へ相談する

衝動は時間が経つと弱まることがあります。待った後も必要で、予算内で、代替品がない場合に限って購入を検討します。

現金またはデビットカード中心にする

クレジットカードや後払い決済は、現在の口座残高を超えて購入できる場合があります。

決めた生活費を現金で管理したり、口座残高の範囲内で支払うデビットカードへ変更したりすると、支出の上限を明確にしやすくなります。

ただし、デビットカードでも口座残高を使い切る可能性があります。家賃や公共料金の引落し口座と、日常の買い物に使う口座を分ける方法も検討しましょう。

用途別に口座を分ける

給料が入ったら、次の順序で資金を分けます。

  1. 家賃や住宅費
  2. 税金・社会保険料
  3. 水道光熱費・通信費
  4. 食費と日用品費
  5. 借金返済
  6. 緊急予備費
  7. 自由に使える金額

自由に使える金額を先に取るのではなく、必要な支払いを確保した後に設定します。

自動振替や自動積立を使えば、給料日に使えるお金を分けやすくなります。

購入記録と感情を一緒に記録する

家計簿に金額だけでなく、購入前後の感情を記録します。

記録項目の例は次のとおりです。

記録項目内容
日時買いたくなった時間
商品何を買いたくなったか
金額予定購入額
きっかけSNS、仕事のストレス、孤独など
購入前の感情不安、怒り、退屈、落ち込み
行動買った、待った、別の行動をした
購入後の感情満足、後悔、不安
代替行動散歩、入浴、相談、睡眠など

数週間記録すると、「仕事で注意された夜に通販を見る」「給料日に高額商品を買う」など、買い物の引き金が見える場合があります。

返品できる物は条件を確認する

未使用品や未開封品がある場合、返品できる可能性があります。

ただし、通信販売には訪問販売のような一律のクーリング・オフ制度はありません。返品条件は販売業者が表示した特約などによって決まります。

返品可能期間、送料、商品の状態などを確認し、返品できる物は早めに手続しましょう。

定期購入、表示と異なる商品、身に覚えのない請求などのトラブルがある場合は、消費者ホットライン「188」へ相談できます。消費者庁の相談窓口案内も確認してください。

買い物を繰り返す心理的な原因へ対処する

買い物へのアクセスを制限しても、ストレスや不安などの原因が残っていれば、別の決済方法や行動へ置き換わる可能性があります。

本人の性格や意思の弱さだけで説明せず、専門家の支援を受けることも検討しましょう。

買い物の引き金を特定する

買い物をしたくなる場面は人によって異なります。

主な引き金には、次のようなものがあります。

  • 仕事上のストレス
  • 配偶者や家族とのけんか
  • 孤独
  • 暇な時間
  • 睡眠不足
  • SNSで他人の生活を見ること
  • セールや限定品の広告
  • 給料日やボーナス日
  • 飲酒
  • 気分が高揚して眠らなくても平気な時期
  • 自分へのご褒美という考え
  • 見た目や評価への不安

「買い物をしない」だけでなく、引き金が生じたときの対応を事前に決めておきます。

買い物以外の代替行動を用意する

買い物を我慢するだけでは、空いた時間やストレスを処理できません。

費用がほとんどかからず、すぐ実行できる代替行動を複数用意します。

  • 10分間散歩する
  • 温かい飲み物を飲む
  • 入浴する
  • 家族や友人へ連絡する
  • 図書館へ行く
  • 音楽を聴く
  • 部屋を片付ける
  • 所有している服で組み合わせを考える
  • 購入せず欲しい理由だけを書く
  • 支援者や相談窓口へ連絡する
  • 早めに眠る

「買いたい気持ちが出たら、まず15分散歩する」のように、具体的な行動として決めることがポイントです。

医療機関や精神保健福祉センターへ相談する

買い物を制御できず、借金や家庭問題が生じている場合は、精神科や心療内科などへ相談する方法があります。

また、保健所や精神保健福祉センターでは、こころの健康や依存に関連する相談を受け付けています。センターによって対応範囲は異なりますが、必要に応じて医療機関や支援機関の情報を得られる場合があります。

厚生労働省は、依存症や関連問題の相談先として保健所、精神保健福祉センター、依存症相談拠点、自助グループなどを案内しています。詳しくは厚生労働省の依存症対策ページを確認してください。

「買い物依存」という名称だけで受診先を探しにくい場合は、「買い物を止められず借金が増えている」「気分が高揚する時期に高額購入してしまう」など、具体的な状態を伝えましょう。

家族だけで無理に管理しない

家族が本人の財布やスマートフォンを取り上げても、本人が納得していなければ、隠れて借り入れたり別の決済手段を探したりする可能性があります。

また、家族が借金を全額肩代わりすると、本人が問題の深刻さを認識しないまま再発する場合があります。

家族ができる支援には、次のようなものがあります。

  • 本人を責めずに現状を確認する
  • 借金一覧を一緒に作る
  • 法律相談や医療相談へ同行する
  • 家計管理の方法を一緒に決める
  • 現金管理を本人の同意のもとで手伝う
  • 家族自身も相談機関を利用する
  • 借金を安易に肩代わりしない
  • 暴力や自傷のおそれがあるときは安全を優先する

家族だけで解決しようとせず、法律、医療、福祉の支援を組み合わせましょう。

返済中の再発を防ぐ月間ルール

返済期間は数年に及ぶことがあります。一度だけ決意するのではなく、毎月確認できる仕組みを作ることが大切です。

給料日に行うこと

給料日には、次の順番で資金を移動します。

  1. 家賃や公共料金の口座へ入金する
  2. 借金返済額を確保する
  3. 食費・日用品費を分ける
  4. 少額の予備費を確保する
  5. 自由に使える金額だけを手元へ残す

入金された全額を一つの口座に置くと、使える金額を多く感じやすくなります。

毎週行うこと

週に一度、15分程度で次の項目を確認します。

  • 口座残高
  • 今週の支出
  • 未確定のカード利用額
  • 後払い決済の残高
  • 次回返済日
  • 衝動買いをした回数
  • 衝動を回避できた方法
  • 翌週に必要な支出

失敗があっても記録をやめず、何が引き金だったかを確認します。

毎月行うこと

月末には、借金残高と再発防止策を見直します。

  • 借金総額が前月より減ったか
  • 新たな借り入れをしていないか
  • リボ残高が増えていないか
  • 家計に無理がないか
  • 通販アプリを再インストールしていないか
  • 買い物の引き金に変化がないか
  • 医療や相談を継続できているか
  • 翌月の臨時支出は何か

借金残高が減っていない、または新規借入が発生した場合は、返済計画を早めに見直してください。

買い物依存による借金でしてはいけないこと

不安や罪悪感が強いと、短期的に請求を隠す行動を取りやすくなります。しかし、次の方法は借金問題を深刻化させる可能性があります。

クレジットカードを現金化する

カードで商品や金券を購入し、買取業者などへ安く売って現金を得る行為は、カード会社の規約に違反する可能性があります。

高額な手数料によって債務が増えるだけでなく、自己破産をする場合には免責不許可事由として問題になる可能性もあります。

後払い決済、キャリア決済、商品買取を利用した現金化も避けてください。

返済のために新たな借り入れをする

別の会社から借りて返済しても、債務の総額が減るわけではありません。

特に、返済能力がないことを認識しながら借り入れを続けると、自己破産などの手続で借入時の状況を詳しく確認される可能性があります。

家族名義でカードやローンを申し込む

本人が審査に通らないからといって、家族名義で契約し、本人がカードや借入金を使うことは避けてください。

名義人である家族が支払義務を負い、家族の信用情報や生活にも重大な影響が生じます。

借金や購入履歴を隠す

法律相談では、借金額や浪費の内容を正確に伝える必要があります。

通販サイトの履歴を削除しても、カード明細や通帳から購入状況が分かる場合があります。事実を隠すと、適切な債務整理を選べなくなります。

自己破産や個人再生を検討する場合は、家族や知人への借金も含め、すべての債権者を申告してください。

怪しい借金減額業者へ依頼する

「誰でも借金がゼロになる」「絶対に家族へバレない」などと断定する広告には注意が必要です。

依頼前に、弁護士または司法書士の氏名、所属会、事務所所在地、費用、担当範囲を確認しましょう。資格のない業者へ借入情報や本人確認書類を渡してはいけません。

買い物依存と借金に関するよくある質問

買い物が原因の借金では、債務整理や家族への説明についてさまざまな疑問が生じます。代表的な質問を整理します。

買い物で作った借金でも任意整理できますか?

買い物や浪費が原因の借金であっても、任意整理を交渉することは可能です。

ただし、債権者が将来利息のカットや長期分割に必ず応じるわけではありません。また、元金を返済できるだけの安定収入が必要です。

任意整理後に買い物を再開すると和解どおりの返済ができなくなるため、再発防止策を同時に進める必要があります。

買い物依存でも自己破産できますか?

過度な買い物による浪費は、自己破産における免責不許可事由に該当する可能性があります。

しかし、免責不許可事由がある場合でも、裁判所が借金の経緯、反省、手続への協力、生活改善などの事情を考慮し、裁量免責を認める場合があります。

免責が必ず認められるとは限らないため、購入額や経緯を弁護士へ正確に説明してください。

家族が借金を肩代わりすれば解決しますか?

家族の援助によって借金を完済できる場合はありますが、買い物を繰り返す原因が残っていれば、新たな借金を作る可能性があります。

家族が援助する場合も、決済手段の見直し、家計管理、医療・心理相談などを併せて行うことが重要です。

また、家族が生活資金や老後資金を失うほど肩代わりすることは避けるべきです。先に法律相談を受け、ほかの方法も比較しましょう。

カードを解約すれば買い物依存は治りますか?

カードを解約することは、買い物へのアクセスを減らす有効な対策の一つです。

しかし、後払い決済、キャリア決済、現金、家族名義のカードなど、別の手段へ移る可能性があります。買い物をしたくなる心理的な原因や場面にも対処する必要があります。

商品を返品すれば借金はなくなりますか?

返品が認められ、カード利用の取消しや返金処理が行われれば、その分の負担が減る可能性があります。

ただし、通信販売では販売業者が定めた返品条件が適用されることが一般的です。開封済み、使用済み、返品期限経過などを理由に返品できない場合もあります。

返品を装った不正な手続は行わず、販売業者の規約を確認してください。

どの段階で弁護士へ相談すべきですか?

次のいずれかに該当する場合は、早めの相談を検討しましょう。

  • 返済のために借り入れている
  • 2社以上を滞納している
  • 一括請求を受けた
  • 支払督促や訴状が届いた
  • 給与差し押さえのおそれがある
  • 利息を払うだけで元金が減らない
  • 完済まで5年以上かかる
  • 生活費を削っても返済できない
  • 借金総額が分からない
  • 自分では買い物を止められない

相談したからといって必ず債務整理を依頼しなければならないわけではありません。現在の家計で自力返済が可能かを確認するためにも相談できます。

買い物依存の借金は返済と再発防止をセットで進めよう

買い物で借金が増えた場合は、返済だけでも、買い物を我慢するだけでも十分とは限りません。

借金を整理する対応と、買い物を繰り返さないための対応を同時に進めることが重要です。

具体的には、次の順番で進めましょう。

  1. クレジットカードや後払い決済の新規利用を止める
  2. すべての借金と滞納を一覧にする
  3. 手取り収入と生活費から返済可能額を計算する
  4. 自力完済できるか返済期間と総支払額を確認する
  5. 難しい場合は債務整理を専門家へ相談する
  6. 通販アプリや保存済みカード情報を削除する
  7. 買い物の引き金と感情を記録する
  8. 買い物以外の代替行動を用意する
  9. 必要に応じて医療機関や精神保健福祉センターへ相談する
  10. 家族だけで抱え込まず複数の支援先を利用する

借金があることや買い物を止められないことを、本人の性格だけの問題として責めても解決につながりにくい場合があります。

すでに返済のための借り入れをしている、生活費を払えない、督促を放置しているといった場合は、できるだけ早く弁護士などへ相談してください。同時に、買い物を制御できない状態について、精神保健福祉センターや医療機関などへ相談しましょう。

なお、本記事は一般的な債務整理と再発防止策を解説したものであり、個別の法的助言や医学的診断を行うものではありません。適切な返済方法や支援は、借金額、収入、生活状況、心身の状態などによって異なります。

ライズ綜合法律事務所 債務整理 借金相談 オンライン 借金減額シミュレーター 口コミ 評判
  • URLをコピーしました!
目次