債務整理をすると住宅ローンは組めない?信用情報の登録期間と審査への影響を解説

債務整理をすると住宅ローンは組めない?信用情報の登録期間と審査への影響を解説

債務整理を検討している人の中には、「将来、住宅ローンを組めなくなるのではないか」と不安を感じる人もいるでしょう。任意整理・個人再生・自己破産をすると、債務整理や延滞などの情報が信用情報機関に一定期間登録され、住宅ローン審査に通ることが難しくなる可能性があります。

しかし、住宅ローンを一生組めなくなるわけではありません。信用情報から該当情報が削除された後は、収入、勤続年数、自己資金、ほかの借り入れなどを基に改めて審査されます。本記事では、信用情報機関ごとの登録期間、住宅ローン審査への影響、債務整理後に申し込む前の準備や注意点を解説します。

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目次

債務整理をすると住宅ローンは組めなくなる?

任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理をすると、その直後から一定期間は住宅ローンを組むことが難しくなる傾向があります

ただし、法律によって住宅ローンの申込みを禁止されるわけではなく、債務整理をした人へ融資してはいけないという一律の規定があるわけでもありません。最終的に融資するかどうかは、金融機関や保証会社が審査によって判断します。

債務整理後も住宅ローンへの申込み自体は可能

債務整理をした後でも、住宅ローンへ申し込むこと自体はできます。

しかし、金融機関は審査の際に信用情報機関へ照会し、過去から現在までのローンやクレジットカードの契約内容、返済状況、延滞、債務整理などを確認します。

信用情報に債務整理や長期延滞などの情報が残っている場合、金融機関は「契約どおりに返済されないリスクが高い」と判断し、審査で不利に扱う可能性があります。

申込みを繰り返しても、信用情報が残っている間は状況が大きく変わらないことがあります。

「ブラックリスト」という名簿があるわけではない

一般には、延滞や債務整理によってローン審査に通りにくい状態を「ブラックリストに載る」と表現します。

しかし、実際に「ブラックリスト」という名称の名簿が存在するわけではありません。信用情報機関に、延滞、保証履行、債務整理、破産申立てなどの客観的な取引事実が登録される状態を、便宜的にブラックと呼んでいます。

信用情報に登録される主な内容は次のとおりです。

  • 氏名、生年月日、住所、電話番号などの本人情報
  • ローンやクレジットカードの契約内容
  • 借入金額や利用残高
  • 毎月の入金状況
  • 延滞の有無
  • 保証会社による代位弁済
  • 強制解約
  • 債務整理
  • 破産申立て
  • 申込みの履歴

信用情報は、本人の年収、思想、病歴、犯罪歴などを記録する名簿ではありません。ローンやクレジットなどの信用取引に関する情報です。

信用情報が削除されれば必ず審査に通るわけではない

債務整理などの情報が信用情報機関から削除された後は、信用情報上の大きな不利益が解消される可能性があります。

ただし、情報が削除されたことと、住宅ローン審査に通ることは同じではありません。

住宅ローン審査では、信用情報以外にも次のような項目が確認されます。

  • 年齢
  • 年収
  • 勤続年数
  • 雇用形態
  • 勤務先
  • 健康状態
  • 返済負担率
  • 自己資金
  • 購入物件の担保価値
  • ほかのローンの残高
  • クレジットカードの利用状況
  • 過去の申込み履歴
  • 配偶者や連帯保証人の返済能力

信用情報から債務整理の記録が消えていても、収入に対して借入希望額が大きい、転職直後である、ほかの借り入れが多いといった場合は、審査に通らない可能性があります。

債務整理が住宅ローン審査に影響する理由

住宅ローンは、数千万円規模の資金を長期間にわたって返済する契約です。金融機関は、申込者が将来にわたり安定して返済できるかを慎重に確認します。

過去の債務整理は、返済能力や信用力を判断する情報の一つになります。

金融機関が信用情報を照会する

住宅ローンの申込書には、個人信用情報機関への照会や情報登録に関する同意条項が設けられています。

申込者が同意して申し込むと、金融機関や保証会社は加盟している信用情報機関へ照会し、本人の信用情報を確認します。

金融機関によって利用する信用情報機関は異なります。また、金融機関と保証会社がそれぞれ異なる信用情報機関へ加盟している場合もあります。

そのため、「銀行が全国銀行個人信用情報センターだけを確認する」とは限りません。保証会社を通じてCICやJICCの情報が審査へ影響する可能性もあります。

延滞や債務整理は返済リスクの判断材料になる

任意整理では、契約どおりの返済が難しくなり、債権者と返済条件を変更します。個人再生や自己破産では、裁判所を通じて債務の減額または免責を求めます。

金融機関から見れば、いずれも当初の契約どおりに返済できなかったことを示す事情です。そのため、住宅ローンのような長期融資では慎重な判断につながります。

また、債務整理を依頼する前に長期延滞、強制解約、代位弁済などが発生していれば、それらの情報も登録される可能性があります。

「任意整理をしなければ信用情報に影響しない」とは限らず、すでに延滞による異動情報が登録されている場合もあります。

保証会社の審査も行われる

民間金融機関の住宅ローンでは、保証会社の保証を利用する商品があります。

銀行の審査基準を満たしていても、保証会社の審査に通らなければ融資を受けられない場合があります。過去に債務整理した債権者やその関連会社が保証会社になっていると、信用情報とは別に社内記録が影響する可能性もあります。

住宅ローンの申込み先だけでなく、保証会社がどこかを確認することも重要です。

信用情報機関の種類と登録期間

日本には、主にCIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターという3つの信用情報機関があります。

登録される情報と期間は機関や契約内容によって異なります。「任意整理は必ず5年」「自己破産は必ず7年」と単純に決めつけるのではなく、自分の信用情報を開示して確認することが大切です。

CIC

CICは、主にクレジットカード会社、信販会社、消費者金融会社、携帯電話会社などが加盟する指定信用情報機関です。

CICのクレジット情報は、契約期間中および契約終了から5年間保有されます。申込みに関する情報は、クレジット会社などがCICへアクセスした日から6か月間保有されます。

クレジット情報には、契約内容、請求額、入金額、残高、入金状況、異動の有無などが含まれます。

CICにおける「異動」は、一般に長期延滞、保証履行、破産などが問題になる表示です。債務整理の方法や登録会社の処理によって、表示される内容や保有期限が異なる可能性があります。

CICでは、事実として正しく登録されている情報を、本人の希望だけで削除することはできません。保有期間を過ぎた情報は自動的に削除されます。

詳しい内容は、CICの信用情報開示報告書の案内で確認できます。

JICC

JICCは、消費者金融会社、クレジット会社、信販会社、金融機関、保証会社、リース会社などが加盟する指定信用情報機関です。

JICCでは、氏名などの本人情報、契約内容、返済状況、取引事実、申込みなどに関する情報が登録されます。

取引事実に関する情報には、次のようなものがあります。

  • 債権回収
  • 債務整理
  • 保証履行
  • 強制解約
  • 破産申立て
  • 債権譲渡

2019年10月1日以降の契約について、契約内容、返済状況、債務整理などの取引事実に関する情報は、原則として契約継続中および契約終了後5年以内とされています。契約時期や情報の種類によって取扱いが異なるため、詳細は公式情報を確認してください。

詳しくは、JICCの「信用情報の内容と登録期間」で確認できます。

全国銀行個人信用情報センター

全国銀行個人信用情報センターは、全国銀行協会が設置・運営する信用情報機関です。銀行、信用金庫、農業協同組合、銀行系クレジットカード会社、保証会社などが会員となっています。

ローンやクレジットカード、保証などに関する情報が登録されるほか、官報に公告された破産・民事再生手続開始決定に関する官報情報も登録されます。

官報に公告された破産・民事再生手続開始決定の情報は、当該決定日から7年を超えない期間登録されます。以前は10年とされていましたが、2022年11月に登録期間が7年へ短縮されています。

詳しくは、全国銀行個人信用情報センターの概要で確認できます。

信用情報機関同士で一部の情報が交流される

3つの信用情報機関は、一定の情報交流制度を設けています。

そのため、債務整理の対象になった会社が加盟している信用情報機関と、住宅ローンの金融機関が利用する信用情報機関が異なれば、必ず影響を避けられるとは限りません。

どの情報がどこまで交流されるかは制度によって異なります。申込先が加盟する機関を一つだけ確認して判断するのではなく、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターの3機関を開示する方が状況を把握しやすくなります。

債務整理の方法別に見る住宅ローンへの影響

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産などがあります。いずれも住宅ローン審査へ影響する可能性がありますが、手続内容や信用情報への登録のされ方には違いがあります。

現在返済中の住宅ローンがある場合と、将来新たに住宅ローンを組みたい場合も分けて考える必要があります。

任意整理

任意整理は、裁判所を利用せず、弁護士や認定司法書士などが債権者と返済条件を交渉する方法です。

一般的には、将来利息のカットや3~5年程度の分割返済を交渉します。ただし、債権者に交渉へ応じる義務はなく、元金が大幅に減額されるとは限りません。

JICCでは、取引事実として「債務整理」が登録対象に含まれています。CICでは「任意整理」という名称がそのまま表示されるとは限りませんが、長期延滞、支払条件の変更、異動、契約終了などの情報が審査へ影響する可能性があります。

任意整理の返済中に住宅ローンの審査を受けても、返済負担と信用情報の両面から厳しい判断になることが考えられます。

個人再生

個人再生は、裁判所を利用して借金を法律上の基準に従って減額し、原則3年間で返済する手続です。

個人再生手続開始決定は官報に公告され、全国銀行個人信用情報センターでは、その官報情報が決定日から7年を超えない期間登録されます。

個人再生後も返済が続くため、再生計画の返済中に新たな住宅ローンを組むことは一般に難しいと考えられます。

一方、すでに住宅ローンを返済中で、住宅資金特別条項の条件を満たす場合は、住宅ローンを従来どおり返済しながら、ほかの借金を個人再生で整理できる可能性があります。

ただし、住宅ローン自体が減額される制度ではなく、住宅ローンと再生計画の返済を両立できなければなりません。

自己破産

自己破産は、借金を継続的に返済できない人が裁判所へ申し立て、免責によって支払責任の免除を目指す手続です。

破産手続開始決定は官報に公告され、全国銀行個人信用情報センターでは、破産の官報情報が決定日から7年を超えない期間登録されます。

CICやJICCにも、契約内容、法定免責、破産申立てなどに関する情報が一定期間登録される可能性があります。

自己破産では、住宅など一定以上の財産は原則として換価・配当の対象となります。現在所有している自宅を残したい場合は、自己破産以外の方法も含めて検討する必要があります。

特定調停

特定調停は、簡易裁判所の調停委員会を通じて債権者と返済方法を話し合う手続です。

信用情報機関に「特定調停」という名称が必ず登録されるとは限りませんが、手続前の延滞や、契約条件の変更などが信用情報へ反映される可能性があります。

特定調停後も返済が続くため、返済中の住宅ローン審査は厳しくなることが考えられます。

信用情報の登録期間を数えるときの注意点

債務整理から5年または7年が経過すれば、自動的にすべての情報が同じ日に消えるとは限りません。

信用情報機関、契約日、登録された情報の種類、契約終了日などによって、保有期限の起算点が異なるためです。

起算点は債務整理を依頼した日とは限らない

登録期間の起算点として考えられる日は、次のように複数あります。

  • 債務整理の事実が発生した日
  • 和解が成立した日
  • 借金を完済した日
  • 契約が終了した日
  • 破産手続開始決定日
  • 免責確定日
  • 個人再生手続開始決定日
  • 保証会社が代位弁済した日
  • 延滞を解消した日

例えば、任意整理で5年間返済した場合、弁護士へ依頼した日から5年後ではなく、契約終了後から一定期間情報が残る可能性があります。

「債務整理を始めてから5年経った」という理由だけで、信用情報が削除されたと判断しないようにしましょう。

債権者ごとに契約終了日が異なる場合がある

複数の借金を任意整理した場合、返済額や返済期間は債権者ごとに異なることがあります。

3年で完済する会社と5年で完済する会社があれば、契約終了の時期も異なる可能性があります。その結果、信用情報が削除される時期がそろわない場合があります。

すべての債権について完済し、各信用情報機関から情報が削除されたかを確認する必要があります。

事実と異なる情報は訂正を求められる

信用情報に事実と異なる内容が登録されている場合は、信用情報機関や登録元の会社へ調査を求められます。

一方、債務整理や延滞が事実である場合、住宅ローンへ申し込みたいという理由だけで早期削除を求めることはできません。

CICも、登録内容が事実である場合は訂正・削除できず、保有期間を過ぎた情報は自動的に削除されると案内しています。

債務整理後に住宅ローンを申し込む前の準備

債務整理後の住宅ローン審査では、時間が経過するのを待つだけでなく、信用情報の確認、家計の改善、自己資金の準備などが重要です。

審査に通ることを保証する方法はありませんが、申込前の不備や無理な借入希望額を減らすことはできます。

3つの信用情報機関へ開示請求する

住宅ローンへ申し込む前に、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターへ本人開示を申し込み、自分の信用情報を確認しましょう。

確認したい主な項目は次のとおりです。

  • 債務整理した契約が残っているか
  • 延滞や異動の表示があるか
  • 契約終了日や完済日
  • 保有期限
  • 代位弁済の情報
  • 破産や個人再生の官報情報
  • 身に覚えのない契約
  • 直近の申込み履歴
  • 住所や電話番号などの本人情報

1機関だけ開示して問題がなかったとしても、ほかの機関に情報が残っている場合があります。可能であれば3機関すべてを確認するとよいでしょう。

債務整理した金融機関と関連会社を確認する

信用情報から債務整理の記録が削除されても、債務整理の対象となった金融機関やグループ会社には、社内記録が残っている可能性があります。

社内記録の保有期間や審査への利用方法は公表されていないことが多く、信用情報機関の情報が消えたからといって、同じ金融機関の審査に通るとは限りません。

また、申込先の銀行が異なっていても、保証会社が過去の債権者と同じグループである場合があります。

住宅ローンの商品概要や公式サイトなどで、保証会社を確認しましょう。

頭金と諸費用を準備する

住宅購入では、物件価格だけでなく、登記費用、ローン手数料、火災保険料、仲介手数料、税金、引っ越し費用などが必要になります。

自己資金が多いほど必ず審査に通るわけではありませんが、借入希望額を抑えられるため、返済負担率や担保評価の面で有利になる可能性があります。

ただし、頭金を増やすために生活防衛資金をすべて使うのは危険です。購入後の修繕費、固定資産税、病気や失業などに備える資金も残しておきましょう。

安定した収入と勤続年数を確保する

住宅ローンは長期返済になるため、継続的で安定した収入が重視されます。

債務整理後に転職したばかりの場合、信用情報に問題がなくても勤続年数を理由に審査が厳しくなる可能性があります。

一般に確認される事項は次のとおりです。

  • 勤続年数
  • 雇用形態
  • 年収
  • 賞与の安定性
  • 直近の転職回数
  • 勤務先の事業状況
  • 自営業者の申告所得
  • 過去数年分の収入推移

転職の予定がある場合は、住宅ローンの申込時期との関係を慎重に検討しましょう。

ほかの借り入れを減らす

住宅ローン審査では、住宅ローンだけでなく、ほかの借り入れを含めた年間返済額が確認されます。

審査へ影響する可能性がある債務には、次のようなものがあります。

  • 自動車ローン
  • 教育ローン
  • カードローン
  • クレジットカードの分割払い
  • リボ払い
  • スマートフォン端末の分割払い
  • 奨学金
  • フリーローン
  • 事業性ローンの個人保証

使っていないカードローンの利用枠についても、金融機関によっては審査で考慮される可能性があります。不要な契約は、解約による信用情報への影響やタイミングを確認したうえで整理しましょう。

クレジットカードなどを期日どおり支払う

信用情報から債務整理の記録が削除された後に、新たなクレジット契約を利用する場合は、支払期日を守ることが重要です。

少額の支払いでも延滞すれば、再び信用情報へ影響する可能性があります。

特にスマートフォン端末の分割代金を通信料金と一緒に支払っている場合、通信料金の滞納が端末代金の延滞につながることがあります。

口座残高を定期的に確認し、引落し不能を防ぎましょう。

無理のない借入希望額を計算する

金融機関が融資可能と判断する金額と、家計が無理なく返せる金額は必ずしも一致しません。

住宅購入後には、住宅ローン以外にも次の支出が発生します。

  • 固定資産税
  • 火災保険・地震保険
  • マンションの管理費
  • 修繕積立金
  • 駐車場代
  • 戸建ての修繕費
  • 光熱費の増加
  • 教育費
  • 車の維持費

過去に債務整理をした人は、再び返済困難にならないことを最優先にし、収入減少や金利上昇も考慮した返済計画を立てましょう。

債務整理後の住宅ローン審査で避けたい行動

審査に通りたいからといって、短期間に多くの金融機関へ申し込んだり、債務整理の事実について虚偽の申告をしたりすると、かえって審査へ悪影響を与える可能性があります。

短期間に何社も申し込む

住宅ローンへ申し込むと、信用情報機関に申込みや照会の記録が一定期間残ります。

CICやJICCでは、申込みに関する情報が原則として6か月間登録されます。短期間に多数の申込みがあると、金融機関から資金繰りに問題があると警戒される可能性があります。

事前審査だから記録が一切残らないとは限りません。申込先を無制限に増やすのではなく、条件に合う金融機関を絞りましょう。

事実と異なる内容を申告する

住宅ローン申込書では、年収、勤務先、勤続年数、借入残高などの申告を求められます。

他社借入を少なく書く、勤務年数を長く書く、自己資金の出所を偽るなどの虚偽申告は避けてください。信用情報や提出書類との不一致があれば、信用性を疑われます。

申込書で債務整理歴について質問された場合も、質問内容を確認し、事実に基づいて回答する必要があります。

頭金を消費者金融から借りる

自己資金を多く見せるためにカードローンや消費者金融から借り入れると、信用情報に新たな債務が登録されます。

年間返済額が増え、返済負担率の面で不利になるだけでなく、頭金の出所について説明を求められる可能性もあります。

親族から資金援助を受ける場合は、贈与税、借用書、資金移動の記録などについて税理士へ確認しましょう。

誤った情報を訂正せずに申し込む

信用情報を開示した結果、すでに完済した契約が未完済になっている、免責後も情報が適切に更新されていないなどの疑問がある場合は、申込前に確認しましょう。

JICCは、自己破産による免責確定について、登録会社が裁判所から自動的に通知を受けるわけではないため、情報を更新できていない場合があると案内しています。

誤りが疑われるときは、免責許可決定確定証明書など必要な資料を確認し、登録元会社や信用情報機関へ問い合わせてください。

配偶者が債務整理した場合の住宅ローンへの影響

信用情報は原則として個人単位で管理されます。そのため、配偶者が債務整理をしたからといって、本人の信用情報にも同じ情報が登録されるわけではありません。

ただし、夫婦で住宅ローンを申し込む方法によっては、配偶者の信用情報が審査対象になります。

本人単独で申し込む場合

夫が債務整理をしていても、妻が単独で住宅ローンを申し込み、夫が連帯保証人や連帯債務者にならないのであれば、原則として妻本人の収入や信用情報などを基に審査されます。

ただし、申込者本人の収入だけで借入希望額を返済できることが必要です。

金融機関によっては世帯状況や購入資金の出所などを確認することがありますが、配偶者の債務整理だけで本人の信用情報へ事故情報が登録されるわけではありません。

収入合算をする場合

住宅ローンの借入可能額を増やすため、夫婦の収入を合算する場合があります。

収入合算者が連帯保証人または連帯債務者になる商品では、その人の信用情報も審査されるのが一般的です。債務整理の情報が残っている配偶者を収入合算者にすると、審査へ影響する可能性があります。

収入合算の仕組みは金融機関によって異なるため、申込み前に確認しましょう。

ペアローンを利用する場合

ペアローンは、夫婦それぞれが住宅ローンの契約者になり、互いに連帯保証人となる仕組みが一般的です。

夫婦それぞれについて審査が行われるため、一方の信用情報に債務整理や延滞などが残っていると、ペアローン全体の審査に影響する可能性があります。

一方だけで借り入れる方法を検討できる場合もありますが、借入可能額、持分、住宅ローン控除、贈与税などに影響するため、金融機関や税理士などへ相談してください。

配偶者を名義だけの申込者にしない

債務整理をした本人が実質的に返済するにもかかわらず、審査を避けるために収入の少ない配偶者を形式上の申込者にするなど、実態と異なる申込みは避けるべきです。

購入資金、返済原資、不動産の持分が一致していないと、贈与税などの問題が生じる可能性もあります。

現在返済中の住宅ローンは債務整理でどうなる?

これから住宅ローンを組む場合だけでなく、すでに住宅ローンを返済している人が債務整理する場合もあります。

自宅を残せるかどうかは、選択する手続によって異なります。

任意整理では住宅ローンを対象から外せる場合がある

任意整理は、交渉する債権者を選べる手続です。

住宅ローンを任意整理の対象から外し、従来どおり返済を続けながら、カードローンやクレジットカードなどを整理できる場合があります。

ただし、住宅ローンとほかの借金の返済を両立できることが前提です。また、住宅ローンと整理対象の借金が同じ金融機関にある場合、預金口座の凍結や相殺などの影響を確認する必要があります。

個人再生では住宅ローン特則を利用できる場合がある

個人再生では、一定の条件を満たせば住宅資金特別条項を利用し、住宅ローンを支払いながら自宅を残せる可能性があります。

ただし、住宅ローン自体は原則として減額されません。住宅ローンとは別に、個人再生で減額された借金を返済します。

主な条件として、本人が所有する住宅であること、住宅ローンを担保する抵当権以外の担保権が付いていないことなどが問題になります。

保証会社が代位弁済した後でも、一定期間内であれば特則を検討できる場合がありますが、早急な対応が必要です。

自己破産では自宅を手放す可能性が高い

自己破産では、自宅に資産価値がある場合、原則として換価・配当の対象になります。

住宅ローンの残高が不動産価値を大きく上回るオーバーローン状態でも、抵当権者が競売などを進める可能性があります。

家族名義の住宅で本人に所有権がなく、本人が住宅ローンの債務者でも保証人でもない場合は、直ちに家族の住宅が処分されるとは限りません。ただし、本人から家族への不自然な資金移動や名義変更があれば調査される可能性があります。

債務整理後の住宅ローンに関するよくある質問

債務整理後の住宅ローンでは、申込時期や審査方法に関するさまざまな疑問があります。代表的な質問を整理します。

債務整理から5年経てば住宅ローンを組めますか?

5年経過すれば必ず組めるわけではありません。

信用情報の登録期間は、信用情報機関、契約日、登録情報、契約終了日などによって異なります。個人再生や自己破産の官報情報は、全国銀行個人信用情報センターで決定日から7年を超えない期間登録されます。

まず信用情報を開示し、該当情報が削除されているか確認してください。削除後も、収入や勤続年数などを含む住宅ローン審査があります。

信用情報が真っ白だと審査に不利ですか?

一定年齢でクレジットやローンの利用履歴がまったくない状態は、「スーパーホワイト」などと呼ばれることがあります。

信用情報がない理由は、現金主義だけでなく、過去の債務整理情報が削除された直後である可能性もあるため、金融機関が慎重に審査する場合があります。

ただし、信用情報がないだけで必ず審査に落ちるとは限りません。無理に高額なクレジットを利用して履歴を作る必要もありません。

フラット35なら債務整理後でも審査に通りますか?

フラット35でも審査は行われ、信用情報が確認されます。公的な仕組みが関係する住宅ローンだからといって、債務整理の情報が残っていても必ず借りられるわけではありません。

物件に関する技術基準を満たすことと、申込者の返済能力や信用情報の審査を通過することは別です。

仮審査に通れば本審査も通りますか?

仮審査に通っても、本審査で否決される可能性があります。

本審査では、本人確認書類、収入証明書、物件資料、健康状態、信用情報などがより詳しく確認されます。仮審査後に新たな借り入れをしたり、転職したり、延滞したりすると、判断が変わる可能性があります。

住宅の売買契約を結ぶ際は、住宅ローン特約の内容と期限を確認しましょう。

住宅ローン審査に落ちた理由は分かりますか?

金融機関は、審査基準や否決理由を詳しく開示しないことが一般的です。信用情報機関も、金融機関が審査に落とした理由を判断する機関ではありません。

自分の信用情報を開示すれば、延滞や債務整理などが残っているかは確認できます。ただし、信用情報に問題がなければ必ず審査に通るわけではありません。

債務整理の記録を消してくれる業者は信用できますか?

事実として正しく登録された信用情報を、第三者が保有期間の途中で自由に削除することはできません。

「手数料を払えばブラック情報を消せる」「必ず住宅ローンに通せる」などとうたう業者には注意してください。

登録内容に誤りがある場合は、本人が信用情報機関や登録元会社へ調査・訂正を求める正規の手続があります。

債務整理後は信用情報を確認して無理のない住宅購入を目指そう

債務整理をすると、延滞、債務整理、破産、個人再生などの情報が信用情報機関に一定期間登録され、住宅ローン審査に通ることが難しくなる可能性があります。

しかし、債務整理をした人が一生住宅ローンを利用できないわけではありません。情報の保有期間が経過し、信用情報から該当情報が削除された後は、収入、勤続年数、自己資金、返済負担率などを基に改めて審査されます。

住宅ローンへ申し込む前のポイントは次のとおりです。

  1. CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターへ開示請求する
  2. 債務整理や延滞の情報が削除されたか確認する
  3. 契約終了日や保有期限を確認する
  4. 債務整理した金融機関と保証会社の関係を確認する
  5. 短期間に多数の住宅ローンへ申し込まない
  6. 頭金と購入後の予備資金を準備する
  7. 自動車ローンやリボ払いなどを減らす
  8. 安定収入と無理のない返済計画を重視する
  9. 申込書へ事実と異なる内容を書かない
  10. 配偶者と共同で申し込む場合は双方の信用情報を確認する

住宅を早く購入したいという理由だけで債務整理を避け、返済のために新たな借り入れを重ねると、状況がさらに悪化する可能性があります。

現在の借金を返済できない場合は、将来の住宅ローンよりも、まず生活と家計を立て直すことが重要です。弁護士などへ相談し、任意整理、個人再生、自己破産のどれが適しているかを検討しましょう。

なお、本記事は一般的な制度を解説したものであり、個別の住宅ローン審査や法的手続の結果を保証するものではありません。信用情報の登録内容や保有期限、審査基準は、信用情報機関、登録会社、金融機関、保証会社、契約時期などによって異なります。

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